過去ログ - P「君と過ごす1週間」
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33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/01/29(火) 02:41:39.83 ID:aIkmLOHA0
プルルルル……

テーブルの上に置いてあるケータイから着信音が鳴る。
誰かと思って、通話ボタンを押して耳に当てる。

「はいさい! 自分、我那覇響だぞ!」
「私だ、響ちゃん」
「あっ、黒井社長!」

電話をかけてきた相手は黒井社長だった。
こんな時間に何の用だろう?
まさか765プロと一緒にいることがバレたとか!?
だとしたら、厄介だぞ。黒井社長のお説教は長いから。
でも、黒井社長は自分の考えていることとは全然違うことを言ってきたんだ。

「響ちゃん、明日の活動の予定は決まっているのかね?」
「ううん、まだだよ。収録は今日で終わらせちゃったしね」
「なら、ちょうどいい。響ちゃん、明日はオーディションを受けたまえ」
「オーディション?」
「ウィ、全国放送のかなり大きな歌番組のオーディションでね。響ちゃんの人気を上げるためのまたとないチャンスだ」
「ぜ、全国放送……」

そのスケールの大きさに、おもわずケータイを握る手が強ばる。
そんな自分の緊張が電話越しに伝わったのか、黒井社長はしばらく黙ったあと、自分を試すような口調でしゃべり始める。

「響ちゃん、君は王者になるべく存在だ」
「と、当然だぞ、自分は絶対にトップアイドルになるんだ!」

声を強くして、緊張を隠す。
トップアイドルになること、それはあの頃から変わってない目標だぞ。

「やる気があって大いに結構。だがね、王者に無様な姿を晒すことは、敗北は許されない」
「うん……わかってる」
「頂点に君臨するものは、その下を這う虫けら共がどうあがいても手に届かない存在、そう……太陽にならなければいけないのだよ」
「太陽……」

確かに黒井社長の言うように、トップアイドルになれるのは太陽のような誰も寄せ付けない凄い輝きを持っているアイドルなのかも。

「焼き尽くしたまえ、響ちゃん。君のその輝きで、君の周りをうろちょろする虫けらどもを!」
「うん! 自分の完璧な輝くパフォーマンスでライバルをみんなやっつけてやるさ!」
「おお、これは頼もしい。響ちゃん、やはり君は私の太陽だよ。それでは、いい結果を期待しているよ」

黒井社長はそう言って愉快そうに電話を切った。
そうだぞ、自分は太陽みたいな輝きを持っているんだ。
だから、黒井社長は自分をデビューさせてくれた。
自分はトップアイドルになれるんだ!
王者になるため、トップアイドルになるために、いま自分は負けることが許されない時だ。
今の自分に笑顔なんて必要ない。
輝く笑顔は自分が全てのアイドルの頂点に立った、その時までとっておこう。
自分は勝たなくちゃいけないんだ!



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