52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/19(火) 02:10:40.23 ID:XSREX+Kd0
スピーカーからオーバーマスターが流れ出す。
楽曲に合わせて、自分は歌い、踊りだす。
収録の時に自分を映すカメラのランプを意識するように
視線を一瞬、審査員たちの向こうにいる765プロに向ける。
765プロは指を2本、ピッと立てている。
わかったよ。流行2位のビジュアルをアピールすればいいんだな。
審査員たちに向かって、挑発的な笑みを投げかける。
途端、自分に集まる視線が強くなるのを感じた。
手応えあり。765プロの指示が的確だってことだ。
今度の指示は、指は1本……1位のボーカルだな。
体の動きや表情に向けていた分の意識を歌に向ける。
うん、バッチリとアピール出来たぞ!
どうしてかな?
いま、自分がやっていることはいつもと変わらないはずなんだ。
オーディションで、いつも通りに自分の完璧なパフォーマンスをしているだけだ。
ただそれだけなんだ、違いはない。
違いがあるとすれば……
視線を765プロに向けて指示を見る。ボーカルアピールだ。
ダンスのアピールは無しか。
まあ、自分なら普通に踊っていれば余裕で三位以内に入れるしね。
一人でオーディションに挑んでいる時は、審査員にどのジャンルのアピールをするかも考えなくちゃいけない。
でも、今はそんなことを気にしなくていい。765プロが全部引き受けてくれる。
自分のすることが一つ減っただけで、こんなに自分に余裕ができるなんて驚きだぞ。
おかげで余計なことを考えないで思いっきりパフォーマンスもできる。
それに何か安心する。
765プロが両手を使って三角形を作った。
「一気に決めてやれ、響!」
765プロの視線が、自分にそう訴えた。
ふふん……いいぞ、765プロ。なら、しっかり見ておくんだね。
自分の最高で完璧で太陽みたいに輝くアピールを!
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