過去ログ - P「君と過ごす1週間」
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57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/22(金) 01:51:21.76 ID:wwQWIqhU0
会場の外、ベンチに座り自販機で買ったカフェラテを飲みながら響が来るのを待つ。
口の中で程よい苦味と甘味が広がる。ブラックは飲めない。苦いだけだからだ。
慣れれば美味しいという人もいるが、俺にはあの苦味を慣れる前に飲みたくなくなる。
スーツのポケットから畳まれた一枚の紙を出して、広げる。
今回のオーディションにおける響の評価用紙だ。
若干折り目が深いのは、俺が何度も開いては見たからだ。
用紙には、全部の審査におけるジャンルごとに獲得した評価の数が載っている。

我那覇響
1次審査:ボーカル☆☆☆☆☆ ビジュアル☆☆☆ ダンス☆☆
2次審査:ボーカル☆☆☆☆☆ ビジュアル☆☆☆ ダンス☆☆
3次審査:ボーカル☆☆☆☆☆ ビジュアル☆☆☆ ダンス☆☆

3回全ての審査で、全ジャンルの星を獲得している。
総計30点、つまり満点だ。
最初に見た時は目を疑った。
今日のオーディションに参加したアイドル達、魔王エンジェルが飛びぬけた実力を持っていただけで、その他のアイドルの実力だって決して低くない。
響が勝つ自信はあったが、まさか満点を取れるとは思わなかったというのが俺の本音だ。
でも、用紙には響の功績を讃えるかのように満点分の数の星がある。
全国放送のオーディションの合格枠という狭き門を響は満点で通ってみせたのだ。

「凄いな」
「ええ、本当ね」
「?」

独り言のつもりで言った言葉を誰かが返してきた。
頭を上げて声の主を見てみるとスーツ姿の女性がいた。

「し……真・最強プロデューサーさん!?」
「隣いいかしら?」
「えっ、あっ、はい」

驚き、ベンチからずり落ちそうな俺に反して、真・最強プロデューサーは冷静なまま俺の隣にストンと腰を下ろした。
な、なんで、どうして、こんな所に?
というか、何の用だ?
直接的な面識なんてないはずだ。

「あ、あの……真・最強プロデューサーさん?」

やばい……緊張している。デカい所に営業をかけている時みたいだ。

「その呼び名はあまり好きじゃないわ。周りが勝手に呼んでいるだけのものだし」
「そ、そうですか。でも、周りがそう言っているってことは、周りから認められているってことじゃないですか。異名みたいなやつですよ」
「うちの魔王エンジェルが裏で「オーディション荒らし」って言われているように?」
「はい」
「ふふっ、そう言われると悪い気はしないわ」



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