過去ログ - 春香「私たちは看守でも囚人でもない」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/13(木) 00:11:08.39 ID:GZAOus0HP
……もう、正直牢屋の中に誰がいるか、把握するのも辛くて
美希が戻ってきたときには、もう完全に”美希”じゃなかった

話しかけたらいつものように、どうしたの千早さん?なんて返してくれたら
真美も冗談の一つでも絡めて千早お姉ちゃん!なんてとびかかってきてくれたら

どちらも俯いたまま目は虚ろ、美希に限っては話しかけても怯えるだけ。完全に心を閉ざしてしまっている
真美も心神共に限界な様子、見た目も衰弱して最低限の動きしか見せない

どちらも、昔の面影はない。もちろん……きっと、私も

他の皆も……思い出したくない、思い出せない
ただ自分のことを、大切に。大切に


こんなにも人はすぐに変わってしまうものなの?
いくら看守という役を与えられたからって、ここまで残酷になれるものなの?

ずっとずっと、自分に問い言い聞かせた。答えなんてでるはずもない
表現しようもない感情、ただ苦しい……この現実で、生きていることが苦しい……

今までの思い出が余計に邪魔をする。どうやっても今の状況に当てはまらない過去の思い出が憎くすら感じる
もう一度、あの頃に戻りたい……今はどうでもいい、もう一度だけでもあの……

ふっ、と涙がこぼれてしまった。拍子にふっ、とメロディが流れてきた
……あぁ、懐かしい。あの頃はもう、毎日のように何かしらの音楽を耳にしていた


涙が止まらない。もう歌えないから? 懐かしさ? 辛いから? もうそんなのわからずに気がついたらただ口ずさんでいて
囚人は誰一人として反応しなかったが、ふと気が付くと牢屋の外側に一人立っていた。


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