過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカ
1- 20
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:04:32.77 ID:NZiZepMN0
 サラサラと柔らかな春の日差しが降り注ぎ、穏やかな朝の訪れを告げている。
生い茂る木々の葉は陽光を浴びて鮮やかな緑を発色し、木漏れ日はその間を通り抜けて地面に虫食い状の日向を作っていた。

 桜の季節が終わり、そろそろ暖かくなってきた頃。
陽気に誘われるように生き物たちは活発に動き出す。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:07:06.18 ID:NZiZepMN0
 どこまでも作られた自然の中を、人々は特にその違和感や不自然さに気づくことなく通って往く。
道には雑草は生えていないし、木立の間にもほとんど下草はない。
自然の森の中ならあって然るべき、雑草たちが、ここにはそれほどいないのだ。
それは、この公園の整備が良く行き届いていることの証だろう。
人々は、それを「良く」評価するだろう。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:09:43.52 ID:NZiZepMN0
 どうしてなのだろうか? 人はどうして生き急ぐのだろうか?

 人間は自分たちの作ったシステムにコントロールされている。

 傍から見れば滑稽なものだ。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:11:28.60 ID:NZiZepMN0
 人間は傲慢で、恐れ知らずだ。

 なぜなら、彼らは自分たちが恐れる脅威を――幻想を、追放したからだ。
怖いものがいなくなれば、もう何にも怯えずに生きていける。
 
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:13:51.06 ID:NZiZepMN0


「ふあぁ」

 恥ずかしいことに、こんなところで思わず大きな欠伸をしてしまった。乙女がはしたない。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:15:14.22 ID:NZiZepMN0
 見た目は10にも満たない幼子。しかしてその正体は齢500にも及ばんとする吸血鬼。

 由緒正しき高潔な吸血鬼の家系であるスカーレット家の次女にして、幼い容姿ながら比類なき力と
美貌を持った深窓の令嬢。

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:18:13.61 ID:NZiZepMN0
 曰く、あらゆるものには最も緊張している部分である「目」がある。
曰く、この「目」を手のひらに移動させて握りつぶせば、どんなものでも破壊できる。
曰く、きゅっとしてドカーン。



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:19:49.17 ID:NZiZepMN0
 それほど強大な力を持っている故に、吸血鬼は弱点が多い。
太陽はその最たるものである。
他にも、流水を超えられない。
招かれないと他人の家に上がれない。
銀が苦手。
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:22:11.20 ID:NZiZepMN0



 眠い。とにかく眠い。

以下略



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:23:54.32 ID:NZiZepMN0
 それもそのはず、いきなり見知らぬ世界に放り込まれたのだから。
お蔭で一晩中この大きな大きな「人里」で――右も左も分からないのに――ただひたすら彷徨い歩く
羽目になってしまった。
そして、東の空から太陽が「おはよう」するころにこの公園にやって来たのだ。

以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/18(火) 00:25:54.53 ID:NZiZepMN0
 寝てしまったら、そのまま自分と言う存在が消えてなくなってしまいそうだったから。
そう直感した。そもそもが、ここは本来私がいるべき場所ではないのだ。

 そう。ここではフランのような妖怪は存在しづらい。
言ってしまえば、彼女はこの世界にとって不純物でしかないのだ。
以下略



1002Res/584.04 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice