過去ログ - オッレルス「…甘えた病?」フィアンマ「……困ったものだ」
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39: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/12/25(火) 16:33:46.53 ID:3ZU5JGA40

じゃあ、プレゼントを貰えたなら、完治するのでは。
そんな結論に至り、現在。
フィアンマはキッチンにある椅子に腰掛けていた。
あの頃欲しかったものは、現在作られている。
ホワイトチョコレートの練りこまれたミルククッキー。
黙々と作るオッレルスは、何やら使命感に燃えていた。

「…疲れんのか」
「休憩を挟んだら失敗するかもしれないじゃないか?」
「……適当で構わんぞ」
「ダメだ」

自分より余程完璧主義なのでは、とフィアンマは首を傾げる。
オッレルスは一時間程かけて真面目に作ったクッキーを、至って普通に差し出した。
幼い頃、フィアンマが憧れ、やがて鼻で笑って諦めるようになった、もの。
甘くて白い、愛情の篭ったプレゼント。

「……、…」
「メリークリスマス。…俺は十字教徒じゃないから、ハッピーホリデーが正しいかな」
「……、……」
「…フィアンマ?」
「…Grazie. Che mangio con attenzione.」

気付けば、他者に触れていなくても、症状は発生していなかった。
満たされた。本当に欲しかったものが、手に入った。
クッキーそのものではなく、思い出の中、満たされなかった部分の補完。
彼をまともな人間に押し上げる為に必要だった、目で見える『愛』。
フィアンマは袋から一枚クッキーを取り出し、半分に割って口にする。
残りの半分をオッレルスの口の中へ突っ込むと、彼は満足そうに笑んでみせた。


「…メリークリスマス、オッレルス」








おわり


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