過去ログ - オッレルス「…甘えた病?」フィアンマ「……困ったものだ」
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5: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/12/17(月) 01:29:15.50 ID:s4QGFHZAO

「…それにしても、私はともかく、君は左手が塞がると不便じゃないか?」
「ああ、……困るが、かといって触れないという手段を選択すれば、たまらなく苛立ちが募る。何かを代理依存先にしようと、先程やけ食いや飲酒をしてみたが……結果として、悪酔いしただけだったよ。そもそも大食らいではないしな」

左手が塞がったままではフィアンマが何も出来ない為、現在、オッレルスは彼の頭を撫でている。そろそろ腕がだるくなってきたところだが、此処でやめると症状がぶり返す為にやめられない。

「……迷惑をかけている自覚はあるが、…一生このままでは無い筈だ。その内…」
「…治ってくれないと、君も、俺も困るしね」


難儀な病だ。
厄介というべきか。
先が思いやられる、と思いながら、オッレルスはフィアンマを抱きしめた。
何だかんだで面倒だとか、疲れるだとかは思っても、突き放すつもりは無いらしい。

「何だか兎みたいだな」
「兎? …寂しいと死んでしまうという迷信か」
「強ち嘘でもないと思うよ。感受性が強いらしいから」
「猫に睨まれて死ぬのだったか」
「愛らしいじゃないか?」
「たとえ話に使われていなければ、な」

はぁ、と深くため息をつき、フィアンマは軽くオッレルスに寄りかかる。 シルビアは現在、ちょっとした所用でこのアパートメントには居ない。
家事をする必要性によってスキンシップを中断することと、彼女に奇異の目で見られる事、果たしてどちらがまだマシだっただろうか、とフィアンマは疲れた頭でぼんやりと思う。
魔術に精通したオッレルスがどうにも出来ない以上、呪いを受けただとか、そういう訳でもないのだろう。
諦めるしかないとはいえ、あまりにも八方塞がりだ。

「……、」

フィアンマは眠気を覚えながら、左手を彼の腕に這わせる。
まさかこの歳で、誰かに甘える必要性が出てくるとは、思わなかった。




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