過去ログ - 【咲:安価】京太郎「……家が無い」桃子「20っすよ、京ちゃんっ!」【鶴賀】
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◆tXdh2WZ0lM
[sage]
2012/12/26(水) 01:09:24.84 ID:cjSB0UNr0
豊音「……よし!」
それならもう迷う必要は無い。
私がぽ、ぽ、と鳴くのがばれているなら、隠す必要も無い。
やった、これで助けられる!
豊音「京太郎君、私が人里まで案内してあげる!」
京太郎「へっ……」
京太郎「……わかるんですか?」
豊音「ばっちりね」
この山は幾度と鳴く歩き回り、そして人里の前でいつも止まっていた。
ああ、私もあそこで遊んでいる輪の中に入りたい。
けれど――と。
京太郎「……それじゃ、お願いします」
豊音「うん、任されたよ!」
豊音はドンと胸を叩いて、京太郎のいる方向とは逆方向に向かう。
豊音「それじゃ、行こう?」
京太郎「はいっ!」
豊音「ぽ、ぽ、ぽ――」
歩き始める。
豊音はもはや隠すことをしなかった。
彼がもしも悪い人間だったらどうするというのだろうか。
……一概に善い悪いなんて決められないが。
京太郎「……?」
京太郎は彼女から聞こえるその声に首をかしげた。
聞こうか聞くまいか。
迷っているうちに、自然と彼の耳はそれを受け入れた。
彼の耳がその音になじんだ。
京太郎「……ぽ、ぽ、ぽ」
豊音「!」
京太郎「?」
豊音「……ぽ、ぽ、ぽ!」
京太郎「……ぽ、ぽ、ぽ!」
だから口に出す。
それは豊音を驚かせるに十分で、豊音を喜ばせるにも十分だった。
そして、彼女はむしろ意図的に声を出してそう歩く。
すると、少年もまた意図的に強く声を上げた。
ぽ、ぽ、ぽ、と奇妙な合唱が森の中に響く。
それに呼応するかのように鳥も鳴き始め、木々もざわめき。
ウサギがひょっこりと顔を出し、リスが隙間から二人を見つめる。
そして、小さな歩くオーケストラとその観客の図が出来上がった。
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