過去ログ - 【咲:安価】京太郎「……家が無い」桃子「20っすよ、京ちゃんっ!」【鶴賀】
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806:八尺 ◆tXdh2WZ0lM[sage]
2012/12/26(水) 01:11:46.91 ID:cjSB0UNr0
胡桃「あ、京太郎君」

家の庭先に入ると、黒髪の小さな女の子が少年に声をかける。

彼女は胡桃。

庭でいつの間にか遊んでいて。

そうしていつの間にか消えてしまう。

まるで渡り鳥のような存在だった。

……もっとも、そのスパンはそれに比べて遥かに短いのだが。

胡桃「お帰り、今日は遅かったんだね」

京太郎「ただいま」

京太郎「いや……ちょっと道に迷っちゃって……」

胡桃「えぇ、大丈夫だったの!?」

京太郎「ええ、何とか……」

胡桃「……まあ、そうじゃなかったらここに帰ってきてないよね」

京太郎「そういうこと」

小さい頃からの付き合いだった。

しかし、少年が年を重ねていく中、少女は少女のままだった。

まあ、そういう人もいるのだろう、と少年は特に不思議には思わない。

京太郎「……まあ、助けてもらったんだけどな」

胡桃「へぇ……誰に?」

京太郎「えっと……」

京太郎「名前は知らないんだけど、歩くたびにぽ、ぽ、ぽって言ってる人」

胡桃「……」

京太郎「割と可愛かったんだけど……でも、この辺ではみないんだよな……」

胡桃「あの、京太郎君」

京太郎「ん?」

胡桃「何かされなかった?」

京太郎「……いや……せいぜい、一緒に歩いたくらいだ」

胡桃「そっか……」

胡桃「……なら、まだ大丈夫なのかな?」ボソリ

京太郎「ん?」

胡桃「ああ、うん、なんでもないよ!」

胡桃「……っと、私そろそろ帰らないと」

胡桃「京太郎君」

胡桃「えっと……そのこと、あまり人には話さないほうがいいよ?」

胡桃「それじゃ!」

京太郎「え、ちょっと――」

――今日は逃げられることが多いなぁ。

いつの間にか姿の見えなくなった胡桃に伸ばした手をしまって、そう呟いた。

いったいどういうことなのだろう、話さないほうがいい、というのは。

……まあ、長年の付き合いの胡桃からの忠告なのだから素直に聞いておこう、と心に決めた。。


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