過去ログ - 姫神「安価で。許嫁にして」フィアンマ「…フィアンセか…」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/12/23(日) 00:00:54.53 ID:BjlSUHrT0
彼女が連れていかれた先は、教会だった。
正確には、限りなく教会を模した住居…と思われる場所。
幼く、バチカンという場所に詳しい筈も無い彼女には、判別がつくはずもない。
彼女を送り届けるなり、騎士団は姿を消してしまい。
よくわからないまま、ひとまず疲れを感じた幼い彼女は、席に座る。
その目は真っ赤に泣きはらしていて、愛らしい顔立ちを台無しにしていた。
「…ひくっ…」
一人になってしまった。
両親はおろか、知り合いは誰一人居ない。
そして、ここが何処なのか、見当もつかない。
「…おうち。……ないんだった…」
帰りたい、と思っても。
既にその場所が存在しないのだから、帰れる筈もない。
またしても泣きそうになる彼女は、俯く。
ふと、ドアの開く、軋んだ音が聞こえた。
聴覚に従って、音の方向へ目をやれば、そこには一人の少年が立っていた。
白色人種だろう、とても色が白い。色白な姫神とはまた別種で、白かった。
神父服だろうか、詳しく無い姫神には、見分けがつかない。
「…泣いているのか」
近づいてきた少年の髪は、赤かった。
ちょうど、姫神より十歳程年上だろうか。
トパーズにも似た、金色の綺麗な瞳を、長い睫毛が縁どっている。
綺麗な顔だなぁ、と姫神はぼんやりと思った。
彼は日本語が使えるらしく、そう独り言のように問いかけた後、彼女の頭を優しく撫でる。
「…名前は?」
「…あいさ…」
「…アイサか」
「…ひめがみ。あいさ…」
「…姫神がコンニョーメ…、…苗字か」
「…うん」
巫女服を纏っている彼女は、教会に似たこの場所に似つかわしくない。
けれど、彼はそれに眉を顰める事なく、話しかける。
「…あなたの。なまえは…?」
「…俺様か? …俺様は…」
名を名乗る事に慣れていないのだろうか。
彼は視線を不安定に彷徨わせ、迷っている。
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