19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/25(火) 01:29:03.37 ID:ciVG5wjy0
「もちろん、今あるぶんだけでも、お仕事させてほしいって言いました! けど……」
高ぶる思いを叫ぶように口にし、また辛そうに俯く。
嗚咽を漏らしかねない様子でなお言葉を紡ごうとするのがいたたまれなくなって、また私はイヴを抱きしめた。
「夢の象徴のように思っていたが、サンタの世界も厳しいんだな」
「……あはは、なかなか夢のようにはいかないんですねぇ」
涙ながらになお笑おうとするイヴ。乾いた笑みはどこか諦観の念すら臭わせ、私もどうしていいものか途方に暮れる思いだ。
――しかし、イヴの話を思い起こすうちに、私は脳裏に何かひっかかるものがあることに気づいた。
そこから瞳子さんとの話を遡り、思い返すと……それはある種天啓じみた閃きへと昇華していく。
それが打開策を生むかも分からないが、私からできることとして、せめてこの場を清々しく清算するくらいは……
「それで、イヴはこれからどうするんだ?」
「……」
「ここが事務所だということもある。残念だが、これから取れる行動として、ここで悩み続けるという選択肢はない」
現実を突きつけるだけあり心が痛むが、どうあっても時間は過ぎる。このままいればこの場は過ぎる。
わざわざ言う意味は無いかもしれないが……
「今すぐ帰るか――」
「そんな……」
言わねば、始まらない。
「――今すぐ行くかだ」
「……え?」
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