179: ◆3feiQFueVc[saga]
2013/02/20(水) 18:04:48.05 ID:7y7ZKbWUo
† † †
「四条さぁん……」
「ええ」
180: ◆3feiQFueVc[saga]
2013/02/20(水) 18:05:17.68 ID:7y7ZKbWUo
次の日、雪歩と別れてから、不意に赤い色が見たくなって、私は首を切りました。
浅ましくも、死なない程度に加減して。
181: ◆3feiQFueVc[saga]
2013/02/20(水) 18:08:27.17 ID:7y7ZKbWUo
業務命令で、休養を命ぜられてしまいました。
まあ、さもあらん、と、いったものではありますが。
情けない思いで、家に一人、長椅子にかけておりましたところに、呼鈴の音がころん、と飛び込んでまいります。
封筒を抱えた雪歩は、ゆるりと笑み、「お仕事、です」と。
182: ◆3feiQFueVc[saga]
2013/02/20(水) 18:09:44.07 ID:7y7ZKbWUo
「旅に行こう、貴音さん。ふたりで」
「……はい」
183: ◆3feiQFueVc[saga]
2013/02/21(木) 21:53:14.74 ID:Hs7ywa9Co
せっかくだから、待ち合わせをしよう。白い服を着て。そう言って、また雪歩は笑います。また。
私はそれに、ほほえみを返します。
渋谷駅、ハチ公前に、午前九時。
184: ◆3feiQFueVc[saga]
2013/02/21(木) 21:53:42.14 ID:Hs7ywa9Co
「どうしましょうか」
「博多に行きましょう。駅近くの適当なところに宿をとって……そう、とりあえず、らぁめんを食すと致しましょう。せっかくの福岡なのですから」
「はい、ではそのように」
185: ◆3feiQFueVc[saga]
2013/02/21(木) 21:54:27.08 ID:Hs7ywa9Co
「どこですか、ここ」
「中洲のようですね。あと二刻ばかりすれば、屋台も動き始めることでしょう」
「四時間……」
「退屈ですか?」
186: ◆3feiQFueVc[saga]
2013/02/21(木) 21:54:56.06 ID:Hs7ywa9Co
とはいえこの寒空に立ち放しというのも酷ですから、天神まで戻って大きな書店の影の、小さな喫茶店に落ち着きます。
雪歩は書店で購入したたろっと・かぁどを広げたりめくったりして、私は、道玄坂で購入した煙草の箱をもてあそんでおりました。
「喫うんですか?」
187: ◆3feiQFueVc[saga]
2013/02/21(木) 21:55:30.78 ID:Hs7ywa9Co
一通り、意味を知ってはいましたが、私は思い出そうとはしませんでした。
かわりに、アークロイヤルの封を切り、マッチを擦って、そうして、ひどくむせました。
「あまり、おいしいものでもないのですね……」
188: ◆3feiQFueVc[saga]
2013/02/21(木) 22:05:05.96 ID:Hs7ywa9Co
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