過去ログ - オッレルス「……」フィアンマ「…安価で、お前をまともにする。したい」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/12/30(日) 16:27:53.51 ID:+6WpJPn30
オッレルス「ちょっと面白そうな玩具を見つけたから、つい拾ったんだよ」
玩具。
面白そうな、玩具。
右方のフィアンマをそう称せる程、この男は高みに居る。
物見高い性格をしているのか、彼はうっすらと笑む。
感情の伴っていない笑みだった。
オッレルス「俺とゲームしよう」
ゲーム。
不穏な響きに、フィアンマは眉を潜める。
ひとまず、敵意や殺意は感じられない。
そう判断しながら少しだけ警戒を解くフィアンマが落ち着くのを待ってから、オーディンはルールを口にした。
オッレルス「今から可愛い…いいか、美形タイプの、最高に『可愛い』猫を探してこい。誰かのものなら飼い主を殺してでも連れてくるんだ」
フィアンマ(……美形の、猫?)
オッレルス「拒否しても構わないし、連れてこられなくても構わない。但し、その時はお前を酷い目に遭わす」
言いながら、オーディンはフィアンマの右肩へ視線を向ける。
たったそれだけの動きで、他者へ恐怖を与えられる事を、知っているのだろう。
フィアンマは三秒だけ沈黙した後、聞き返す。
フィアンマ「増血剤を寄越せ。貧血の症状が治まり次第、捜して来ると約束しよう。……だが、そんな事をして何になる? 俺様に得が無い」
言外に、放てば帰って来ないとの宣言。
オーディンは少し迷った素振りを見せてから、言葉を返した。
オッレルス「君の身の安全と住処を保障する。といっても、此処だが」
フィアンマ「……」
オッレルス「せっかく生き延びたんだ、死にたくはないだろう?」
確かに、今のフィアンマを、処刑や復讐以外の理由で欲する者は少ない。
片手で数えられる程にしか、存在しないことだろう。
フィアンマ「…美形の、可愛い猫。…で、良いんだな?」
オッレルス「何度も言わせないでくれ」
財産を切り崩して生活するにも、厳しいものがある。
それよりは、この男に身を委ねてみるべきか。
どうせ、一度は死んだようなものなのだから。
フィアンマ「増血剤。実行は、それからだ」
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