過去ログ - オッレルス「……」フィアンマ「…安価で、お前をまともにする。したい」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/12/30(日) 16:35:52.82 ID:+6WpJPn30
増血剤の苦い錠剤を噛み砕き。
ふらふらと、フィアンマはミラノの街中を歩いていた。
頭が痛い。貧血が完全に治まった訳ではないのだ。
このまま逃げ出しても、どうせいつかは死ぬ。
誰に殺されるかが変化するだけで、自分は死んだようなものだ。
もはや、自分という人間に価値はほとんど無い。
思いながら、しかし憂鬱になるでもなく、彼はふらふらと歩いた。
フィアンマ「…猫、…」
互いの価値観に齟齬があっては正解が出せないので、きっちりと話はしてきた。
単色で、毛並みが良くやや人懐っこい、愛らしい顔立ちの、可愛い美形の猫。
そこまでの厳しい条件ともなれば、野良ではそうそう居ない。
だからこそ、オーディンは『誰かのものなら飼い主を殺してでも連れてくる』という条件を出したのだろう。
フィアンマ「……」
口の中は薬品臭さに満たされている。
少し熱が出ているのか、今にも意識が絶たれてしまいそうだ。
左手を、路地裏の冷たい壁に沿わせる。
ふと、視界に一匹の仔猫が目に入った。
毛並みが良い。
真っ黒な色。
耳が垂れ気味なのは、スコティッシュフォールドの血でも混ざっているのか。
瞳は硝子玉のように丸っこく、可愛らしい。
且つ、細身。
調度、条件に合致した仔猫だった。
後は、捕まえてしまうだけ。
フィアンマ「…幸運、か」
だが、黒猫と遭遇してしまう辺りが、自らの未来を暗示しているような気がして。
苦々しい思いを胸に宿し、彼は仔猫を誘いこんだ。
仔猫「みー」
母猫とはぐれて間もないのか、目が開いているかどうかも怪しい。
ごろごろと喉を鳴らす幼い仔猫の顎下をくすぐってあやし、抱き上げる。
そして、再びふらふらとしながらも、道を引き返した。
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