過去ログ - オッレルス「……」フィアンマ「…安価で、お前をまともにする。したい」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/01/06(日) 03:45:22.00 ID:moyAIJB70
「…うる、…ごめんね…」
ウル。
同名かと、思った。
思いながら、フィアンマを見つめる。
真っ白で、透けてしまいそうな肌。
橙と金の混じった、綺麗な瞳。
穏やかな赤い色の長い髪。
細い指先、照れた笑顔。
「……今更、…いまさら…」
「…オー、ディン…?」
「今更、…気付いて、……」
何だ。
こんなところに、居たのか。
ずっと、傍に居たのか。
俺の傍に、居てくれたのか。
彼女は、ずっと。
否。
彼は、ずっと。
「結婚して、ください」
掠れた声で、言う。
覚えがあるのか、フィアンマは反応した。
「…ウル…?」
「俺が、大きくなったらで…いいから…」
「ぁ……」
「俺が神様になったら…お嫁さんに、なってくれる…?」
「……今更…、…クソ、……」
魔神―――神様の領域に足を踏み入れれば、彼女とまた会える様な気が、した。
事実、会っていた。だが、気づかなかった。
フィアンマは力の入らない手を伸ばし、俺の頬に触る。
生ぬるい血液が、頬を汚したことを、感じた。
「ウル……あの日は、…ごめんね……ご、めん…」
「いいや、謝るのは俺の方だ…ごめん…ごめんね……」
世界を壊さなくても、支配しなくても。
願いは叶った。
代償があまりにも大きすぎるのは、神罰なんだろう。
俺みたいな人間が神の領域へ足を踏み入れたり、したから。
抱きしめる。
血液を喪ったショック症状により、彼の身体は少し痙攣していた。
苦しそうに呼吸を繰り返しながら、抱きしめ返される。
せっかく謝れたのに、仲直り出来たのに、此処でまた別れるのか。
「お前の、…貸してくれた、…すなどけい。ずっと、…大事にして、…いたんだ。…それで…他の、こどもたちに…壊されて、しまった…だが、…うまくいえなくて、…知らないの、一点ばり…すまな、かった……」
「……そんな気は、していたんだ。なのに、嫌いだと言ってしまった。嫌いなんかじゃない、俺はずっと、ずっと君が好きだった」
「…俺様も、……俺様、…も。……お前のことが、すきだった…。…ずっと、…いじめられていた、おれさまに…初めて、声をかけてくれて、…いっしょに、あそんでくれて、優しく…してくれ、て…そんな、…お前が……だいすき、だった…いま、も…」
嫌いだ、ただその一言で、どれだけ傷つけただろう。
悔やんで尚、許してはもらえないだろう、嫌われただろうと、思っていた。
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