過去ログ - オッレルス「……」フィアンマ「…安価で、お前をまともにする。したい」
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50: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/12/31(月) 21:46:06.57 ID:ZK4Lgpit0
>>47 ×振るっている ○振るっていた》


オッレルス「解らない」

ただ、後悔が胸の内を渦巻いて。
手当をしなければならないという使命感に駆られて。
どうしても、涙が止まらない。

フィアンマ「……」

オッレルス「……、」

謝罪を紡ぎ出せば、或いは楽になる。
そんな発想すら浮かばないまま、魔神は涙を零した。
少なくとも、フィアンマを殺したい訳ではないようだ。
口の中の増血剤は気絶をしている最中に突っ込まれたものだろうし、手当も丁寧で。
フィアンマは何となく、眼前の人物がどのような人格構造なのかを理解した。
別に、多重人格の類ではないのだろう。心を病んでいる事は確かだが。
大切にしよう、愛でよう。壊してしまおう、傷つけたい。
その両方を極端に両立させているのが、この青年なのだ。
じくじくと傷跡が痛むのを感じながら、それでも迅速な手当に膿はしないだろうなと思い。
手当を終えて逃げようと、或いは去ろうとする青年の手首を、フィアンマは掴んだ。

フィアンマ「待て」

オッレルス「……、…」

フィアンマ「…」

視線が合う。
睨み付けるフィアンマに対し、オーディンは僅かばかり怯えているように見えた。

フィアンマ「謝れ」

フィアンマは敢えて、責めなかった。
たった一言、謝罪の催促をする。
オーディンは目を見開き、数秒黙った後、言い慣れない声色で応える。

オッレルス「…すまなかった」

フィアンマ「…それで良い」

相槌を打ち、それでも、フィアンマは手を離さない。

あんなにも一方的に暴力を振るわれたのに。
怒りよりも先に、哀れみの心が、遺った。



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