136:無題 ◆KbI4f2lr7shK[saga sage]
2013/07/15(月) 23:30:24.13 ID:F3tPEf1C0
「っ。まどか!?」
足音の主を目視したらしい少女は驚き、泣くのを耐える様な表情を作る。それから10秒も経たないうちに視界から瞬時に消え去った。
「なぁー?なぁー!」
どこにいるの?どうして消えちゃったの?ねぇ?声を張り上げて少女を呼ぶ。でも現れたのは別の少女だった。
「あっ。見つけたー」
桃色の髪を2つに分けた、先ほどの少女と同じ服装の少女がこちらを見て嬉しそうに笑う。ゆっくりと近づいてきて、少し離れた位置で屈んで手を伸ばしてきた。
自分から近づくと、少女は笑みを深めて頭を、喉を撫でる。こちらも優しさが感じられて心地がいい。暫く撫でられた後に両手で上半身持ち上げられる。
「…エイミー」
「にゃあ」
黒髪の少女と同じ名詞を私の方に向かって呟く桃色の少女。呼ばれたのだと思って返事した。
「これからはエイミーって呼ぶねっ」
笑みを浮かべた桃色の少女が顔を近づける。チョンと鼻同士をくっつけると少女は破顔した。その後、30分ほど相手をしたら去って行った。
「また来るね。エイミー、バイバイ」
手を振って去る瞬間まで桃色の少女は終始楽しそうに過ごしていた。寂しそうな眼を浮かべていた黒髪の少女とは対照的である。
同じ名前で呼ぶようになった2人の少女。どちらも気に入ったけれど、黒髪の少女の方が気になった。
多分、黒髪の少女の憂いには桃色の少女が深く関わっている。
別れ際の表情からして、会いたくても会えない事情があるのだろう。
…取りあえず、ココを縄張りにしたらまた逢えるかな?
命の恩人に想いを馳せながら、1匹の黒猫はパトロールへと向かっていった。
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