20:幕間2 ◆2gMnW4GmGpwP[saga sage]
2013/01/02(水) 22:02:32.58 ID:pFmTOgpm0
―――
――
―
まどかが泣いている。
まどかは優しいから…わたしが消えると知って泣いている。
泣かないで…。
‘私‘の為にあなたが泣く必要なんてないの。
まどかの為にこの存在を懸けられることを…その事実を喜んでいるのだから。
泣かないで…まどか。あなたが泣くと‘私‘も辛くなるから。
触れるまどかの唇が震えている。
離れようとした私を繋ぎ留めるあなたの、苦しみが少しでも和らぎますように。
そう祈ってわたしは、まどかが望むままに唇を噛み合わせる。
ずっとこうしていられたらどんなに幸せかしら。
同情の上だったとしても、私を求めてくれる…嬉しいに決まっているわ。
でも…そう長くは続かない。
私はもうじき消えてしまうから。
もうあなたと一緒に居ることはできなくなるから。
名残惜しいけれど、私は顔を離してまどかをじっと見詰める。
「ほむらちゃん…」
溢れていた涙を何とか留めて、辛そうな表情で…それでもまどかは私から視線を逸らさない。
ごめんね…‘私‘はあなたを悲しませてばかりだね。
何度も何度も傷つけて…‘私‘はあなたを救うことは出来なかった。
それどころか‘私‘はあなたに救われて…それなのにその選択を受け入れられなかった。
そんな‘私‘が「受け入れて」なんて言うのは烏滸がましいのに…あなたは頷いてくれた。
だから私はあなたにこの言葉を贈るわ…。
ありとあらゆるまどかの想いと行動に。
あと‘消えた私‘の想いも乗せて。
「ありがとう」
――と。
248Res/292.31 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。