26: ◆2gMnW4GmGpwP[saga sage]
2013/01/04(金) 00:07:58.28 ID:IQ0//o8j0
「ほむらちゃん…教えて欲しいの。あなたは…‘あなたたち‘は何をかんがえているの?」
どうして‘ほむらちゃん‘が消える必要があるの?
何度も問いかけては答えてもらえなかった内容です。
わたしの言葉に、‘ストレート髪のほむらちゃん‘が前へ出ます。
次はこのほむらちゃんのようです。
距離が詰まりわたしは身構えます。
そんなわたしの真正面に移動したほむらちゃんは、数歩分の距離を置いて立ち止まりました。
「…そうね。もう話してもいいかしら」
‘ストレート髪のほむらちゃん‘は背後にちらりと目配せします。
オブジェに背凭れている‘ツインテールのほむらちゃん‘が頷くのを確認してから、視線をわたしに戻しました。
たったこれだけの動作で、‘目の前のほむらちゃん‘からは非常に落ち着いた雰囲気を感じ取ります。
わたしの記憶の中とは比べると、精神的に老成していそうです。
同い年なのに、一回りも二回りも年上に見えました。
「‘私‘の願いはたった一つ。まどか…あなたを世界に戻すこと」
真剣な表情で、淡々とほむらちゃんは言いました。
「人の世界に?」
「ええ」
訊き返したわたしの言葉を肯定するほむらちゃん。
元々人間だったからといって、概念化した存在が元に戻るなんてことがあるのでしょうか。
いえ、実際わたしは今、概念ではない状態にまで戻っていますけど。
「どうやって?」
首を傾げます。わたしには全く想像できません。
「まどか。同じ時間でも、時間軸が異なれば、どこかしら違う点があることを知っているかしら?」
「うん。でも…それってほむらちゃんの行動が違うからじゃ…」
ほむらちゃんがどう過ごすか…それでわたしの願いやマミさんの死因などが変化していました。
「それだけでも無いわ。美樹さんの魔女化した姿なんて、私が関与することじゃないもの」
え…違った…っけ?
さやかちゃんが魔女化した事実に気を取られていたので、あまり覚えていません。
でも言われてみれば、時間軸によっては上条くんがギタリストだったりもした気がします。
ほむらちゃんが訪れる前の時点で、時間軸の相違点が存在していたこともあるようです。
「全てが同じ時間軸が存在することはありえないわ。それは同様に、他の時間軸の干渉が無くても、結末が全く違うこともありえるということでもある」
そこまで聞いてようやく一つの可能性に気が付きます。
「もしかして…わたしが知らない時間軸のほむらちゃんの祈りなの…?」
単純明快な答え。概念化したことで、あらゆる時間軸の過去から未来まで見通したことがあるわたしは、そこで知った時間軸が全てだと思い込んでいたようです。
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