32:幕間3修正 ◆2gMnW4GmGpwP[saga sage]
2013/01/04(金) 01:00:47.03 ID:IQ0//o8j0
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いざ、まどかに再会すると、どう接していいか分からないわ。
私がまどかを喪ったのはもう遠い昔の話。
長い長い戦いの末に会えたのは嬉しくて。懐かしいあなたがそこに居るだけでも感激で…。
感動の赴くままに抱きつけたら…泣くことができれば楽なのだけれど。
でもそんなことに時間を費やしたら、横槍が入りかねない。
相手が‘私‘でも、まどかと過ごす時間に邪魔が入るのは不愉快だわ。
だから私は感涙しそうなのを我慢して、まどかが知りたい事実に辿りつけるよう会話を運ぶ。
こんな形で…また過ごすことが出来るなんて想ってもいなかった。
まどか…。あなたを喪ってから、私はあなたの出来なかったことを、やり残したことをしようとしたわ。
友達と過ごす時間を。家族と過ごす時間を。
あなたの分もしっかりと噛み締めようと思ったの。
実行出来たかというと、それはまた別の話だけれども。
…巴さんや佐倉さんとの関係は良好だったから、許してもらえると有難いわね。
ああ…与えられた最後の時間が終わりを迎えようとしている。
「ほむらちゃん、酷過ぎるよ」
失敗したかしらね…。
顔を覆って泣くまどかを見て、話したことにも罪悪感を覚える。
‘私‘たちを救うために自身の存在を消すような祈りをしたまどか。
まどかが‘私‘の消滅を知って泣かないはずはないのに…。
そんな優しい子だから私は惹かれ、闘い続ける道を選んだのに。
すっかり、頭から抜け落ちていたわ。
あれから長い年月を経たことによる弊害ね…。
でも…私はあなたに人として生きて欲しかった。
そしてそれは、あなたに救われ、あなたの居ない世界を生きたことで尚更強まった想い。
だから私は、あなたが傷つくと知って、それでもこの役目を引き受けたのよ。
リボンを返すときに、まどかの温もりが伝わって来た。
まどかが生きていることを実感する。
あなたの涙が、私に与えてくれた温もりが、とても愛おしくて仕方ない。
赤いリボンも本来の持ち主に返ったことを喜ぶかのように、私の使用期間に着いてしまったくすみや傷みが消えていた。
そんなあなたに伝える言葉は…概念となる‘私‘の想いを集約する言葉はやっぱりこれでしょうね…。
「あなたを好きでいられて幸せよ。ありがとう」
唇を重ね合わせたその瞬間、‘暁美ほむら‘の自我は消えたのだった。
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