55:>>46 続きです ◆KbI4f2lr7shK[saga sage]
2013/01/14(月) 21:20:35.21 ID:BgtmzbLb0
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最初に認識したのは、手袋の上から手首に結ばれた紫色のリボン。
周囲の音に対して無意識にわたしの身体は反応し、少し離れた位置にある音源を射抜きます。
一つ、二つ、三つとピンクの矢で射抜かれる異形の存在。
魔獣と呼ばれるそれは、キューブ状のグリーフシードを生み落として消えます。
「危ない!まどかっ!」
張り上げられたさやかちゃんの声。
迫り来る影に気がついたとき、魔獣の目前に迫っていて…。
あ……。
正気に戻ったときにはもう避けられない位置にいました。
その場に固まってしまった、そんなわたしの右腕を強い力が引っ張ります。
攻撃を避けられた魔獣は、脇から現れた黒い少女の長い爪で裂かれました。
右目に眼帯を着けた黒髪ショートの少女は、ヒラリと身を翻して傍にいる魔獣を爪で切り裂いていきます。
どうやらわたしは助けられたようです。
「…戦闘中に呆然とするなんて」
怒気を含んだ静かな声が聞こえてきました。
聞き覚えのないその声に、わたしは顔を上げます。
顔立ちの整った、これまたヒラヒラとした全身白い装束の女性がわたしを見下ろしていました。
「鹿目さん。あなたはもう少し自分の立場を…」
そこまで言ったところで、目の前の女性は目を見張ります。
視線の先にあるのは、彼女が掴んでいるわたしの手首から垂れている紫色のリボン。
ほむらちゃんから託されたリボンでした。
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