過去ログ - キョン「それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ」
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36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/01(火) 12:19:20.47 ID:5FOx5dKi0
「眩しっ。ちょっとキョン、毛布取るなら取るって言いなさいよ! こっちにだって心の準備ってモンが有るんだから!」

 おうおう、さっきまでぐーすか寝てたとは思えないくらいにしっかりした呂律じゃないか。叱咤の場合はその限りではない、だったりするのかね。後な、

「それは毛布じゃない。コートだ」

 でもって、心の準備は良いから裾をしっかと握る右手を放せ。もし、それが気に入ったのだとしてもやらないからな。お前のコートはあっち。これは俺のだ。

「はっ!? ちちち違うわよ、これはっ!!」

 ストーブに間違えて触れてしまった時のように慌てて手を放すハルヒ。おい、手を放すのはいいがもうちょっと優しく扱ってくれ。ソイツにはこの冬いっぱい頑張って貰う予定なんだ。出来れば来年の冬も世話になりたいくらいでな。

「……何が何と違うってんだよ」

「う……あ、いや、それは……な、なんでもないっ!」

 なんだそりゃ? 否定の内容くらい明確にしてくれないと古文の問題みたいになっちまうが、それは果たしてお前の望むところなのかよ、ハルヒ。うやむやが美徳ってのはそりゃ確かに日本人らしいが、お前らしくはないだろ。

 今日は一体、どうしたってんだ?

 しかして、ハルヒは俺のクエスチョンに答えたりなどはせず、そしてまた先ほどまで凍えていたのが嘘のように真っ赤に上気した顔をして野牛のような突進で教室を出て行った。

 ああ、アレは「こんな時、どうすればいいか分からないの」の顔だな。セオリー通りに「笑えばいいと思う」んだが。ハルヒの笑った顔は文句の付けようがない美少女だし。いや、外見だけだぞ。中身は知っての通りだ。

「……はあ。待っててやったってのに礼の一つも無しかよ。良いけどさ」

 呟いて立ち上がる。……あ、あの馬鹿、結局自分のコート持ってくの忘れてんじゃねえか。仕方ない。どうせ、部室にでも向かったんだろうし、ついで持っていってやるか。


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