過去ログ - キョン「それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ」
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47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/13(日) 00:28:37.54 ID:4L75unli0
 そこからの佐々木の手並みは鮮やかの一語に尽きた。俺から今回の期末考査範囲のプリントを渡されるや否や、待っていて欲しいと言い残し十分間の離席。帰ってきて俺に確認を促したメモ帳にはページではなく内容の書かれた出題範囲表が出来上がっていた。

「どこでこんなもの調べてきたんだよ?」

「どうして僕が今日、駅前を選んだと思う? 答えはね、君の学校の教科書を取り扱っている書店が近くに有るから、さ」

 なんだろうなあ、この無駄な行動力は。口には出さんが、にしたって誰かさんによく似てる。

 佐々木はメモ帳を見ながら一分ほど試案し、これなら大丈夫かなと小さく呟いた。何が大丈夫なんだよ。後、その大丈夫に俺の身の安全は含まれているんだろうな?

「いや、幸いにも君が受ける期末考査の範囲を僕はもう修学していてね。これなら何とか君の役に立てそうだと内心胸を撫で下ろしていたところだったんだ、キョン」

「ああ、光陽園は進学校だからな。授業の進みも早いってことか」

 北高の授業内容ですら振り落とされてしまっている俺からしたら、狂気の沙汰だ。本当に脳の基幹から構造が違っていたり、などと疑う俺を誰が責められようか。

 もしかしたら脳外科に行ってCTスキャンが必要なのは俺だったりすんのかね? いや、冗談だ。

「詰め込むだけの授業には正直うんざりしていたのだけれど、しかし今だけは感謝しなければいけないな。そのお陰で…………いや、なんでもない」

 少女が珍しく言葉を濁す。

「どうした、佐々木?」

「別に。どうもしていないよ」

 ならば、その頬にわずかばかり朱が差して見えるのは窓の外のレッドライトでも映り込んでいるのだろう。

「明日から楽しみにしていてくれ、キョン」

 ……やっぱりコイツ、楽しそうだな。


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