過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/07(月) 21:43:09.75 ID:i9eeC+ki0
「ありがとな、あんた」
「こっちこそありがとう。お陰でサヤカちゃんも助けられたし」
「そうじゃねえよ」
杏子は自分とさやかを重ねていた。自分以外のために祈り魔法少女になった杏子はそれが原因で家族を失った。さやかも同じ道をたどると思ったからこそ、何度も突っかかり、諭し、探し続けたのだった。だがそれは最悪の結果に終わった。
はずだった。
それをネミッサは救った。時間を繰り返し、事前に準備をしていたからではあったろうが、救ったことには違いない。それは何か自分も救われたように、杏子には思われたのだ。
「でもなんで人間に戻ってねえんだ? 無理だったのか」
「ああ、そうみたい。アイツ神様のクセにねぇ」
それは恐らく、『さやか』のせいであろうと思われるが、ネミッサは黙っておくことにした。自分の中にもまだ『さやか』の思いは残っている。さやかも『さやか』も願いは魔法少女が前提だったのだろう。どんな願いであるかはわからないが、きっとほむらの為になることと思う。
そんな物思いに耽るネミッサを杏子が不思議そうに覗きこむ。だがそれにすぐ飽きるとマミに向き合う。マミはホッとしたような切なそうな表情をしていた。自分が巻き込んだという罪悪感を払拭出来たのだろう。
「なぁ、マミもワルプルギスの夜と戦うか?」
「当たり前。私はこの街を守る、魔法少女なんだから」
だろうな、とつぶやきニヤッと笑う。ほむらと共闘関係を組むだけだったが、そこにマミが加われば盤石になる。ほむらがどう出るかわからないが、ネミッサが上手くやるだろう。これだけの戦力があればどんな魔女にも遅れは取らない、杏子の計算ではそうなっている。ネミッサの戦力は魔法少女でないので未知数だが、多少は役に立つだろう。
「いいぜ、あたしもやってやるよ」
(あたしも少しくらい、正義の味方やってもいいよな、父さん。教会壊されたくないもんな)
落ち着きを取り戻したさやかは、仁美とともに自宅へ帰った。一週間にも及ぶ家出失踪の説明をせねばならないはずだが、そのフォローを仁美が行ったようだ。捜索願すら出され大騒ぎにはなっていた。だが地元の名士である志筑家のとりなしで事なきを得たようだった。
翌日からの学校にも無事通学するようで、クラスメイトから浮くような心配もあったが、上条と仁美はいつもと同じように接していた。そのため、色恋沙汰での無断欠席という噂を払拭することができた。事情を知るまどかは、さぞ安心しただろう。
下校時間になって、ほむらは呼び止められた。今日はさやかとネミッサを含めたワルプルギスの夜の打ち合わせの予定だったが、そこに声をかけられた。
「ほむらさん、少しお時間をいただけませんか」
珍しい、ほむらは思った。正直言えば仁美とはさやかやまどかの友人としてはいるが、あまり接点はない。せいぜい魔法少女のことで今回比較的会話をすることが多い程度で、どのループでもあまり仲良くはなかった。その彼女がほむらに話しかけるということは、一つしか無い。
「私に、貴女の戦いを手伝わせて下さい」
意外な申し出にほむらが面食らう。まさか魔法少女になろうというのかと、警戒してしまう。だが、仁美は左右に首を振る。
「いいえ、私には素質がないのでしょう? ですから、私にしかできない戦いをいたします。そのために、相談をしたいのです」
そのそばにいた上条も、松葉杖をつきながらほむらに尋ねる。
「僕も詳しい話を聞きたい。僕にできることをさせてほしい」
「な、なぜ? あなたたちには…かかわりないわ」
「私たちは、さやかさんを一度『殺している』のです」
ほむらの心を抉る言葉。
「幸い、無事だからよかったものの、そんなことをした僕らは……」
「もう、前の関係に戻れませんわ。ですが、もし戻れるのならば……」
「僕らは戻りたい。そのためには、きっと君たちとともに戦う必要がある」
「お願いです。私たちチャンスをください」
「……僕らを戦わせてください」
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