過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/05(土) 15:39:50.23 ID:wOPwqajX0
ネミッサが体験する使い魔の結界は二度目だ。結界の模様からしてこの間と同じ使い魔と判断した。
(手を出すのは簡単だけど、さて、どーしようか)
「付いてきて。絶対に離れないでね」
「うん、でさ、この動物は何?」
「僕はキュウべえだよ。君にも僕が見えるんだね」
真っ白な猫のような体に、長い垂れた耳。背中に不思議な模様があり、顔は赤いつぶらな瞳と、ネコ科のような口もと。なんとも可愛らし風貌だが、ほむらから聞いている特徴と一致する。こいつが黒幕だと。
「うん、見えるよ。可愛い…というか、ちょっとキモい。喋ってるのに口動かないって、ヘン」
「…あの、私のお友達なのだけど」
「あ、ごめん! ちょっとびっくりしたの、ごめんなさい」
「ふふ、いいのよ。キュウべえも許してあげてね」
「いいよ、僕は気にしないから」
そんな会話をしながら、二人と一匹は歩き出す。やや緊張感がないのは相手が魔女そのものではないためだ。マミも言葉を交わしながら、周囲を警戒する。
その中、おひげハサミの使い魔が現れる。だが、それは誰のそばに近づくこともなく、マミがいつの間にか取り出したマスケットの鮮やかな一発で沈む。魔法で創りだしたマスケット。一発一発使い捨てのため、一見効率が悪いように見えるが、ネミッサには何となく分かる。長い銃身は命中率を高めるため。使い捨てなのは簡単な作りにすることで作成を容易に素早くするため。といったところか。帽子やスカート、袖から銃を創りだすのはイメージを容易にする演出だろう。なかなか考えられた形だ。さすがはベテラン、といったところだろうか。
マスケット一発につき一体という効率の良い戦いを続ける。
「あと一、二体だと思う。びっくりしたでしょ。あとで事情説明するからね」
「ううん、大丈夫。ごめんね、巻き込まないように何も言わず走ったんでしょ」
「ええ、そうなの。まさかついてくるとは思わなかったけど」
「心配だったからね。逆にメーワクかけちゃったけどさ」
「ふふっ、ありがとう。いいのよ。友達を守るのも、魔法少女の使命だもの」
(ああ、この子は本当にいい子なんだなぁ……いい子過ぎて、切なくなる)
こんないい子が、魔法少女の真実を知ってしまったらどうなるのだろうか
マミの一撃が最後の一体を撃ち倒すと、満面の笑みで振り返った。ネミッサが危ないなんてこともなかったが、心配そうな顔で覗きこむ。ケガがないことを確認している。その柔和な顔に、ネミッサは泣きたくなった。こんないい子がこんな苛烈で残酷な運命に巻き込まれなくてはならないのか。彼女はどんな祈りで魔法少女になったのか。そして、彼女に命の危険が迫っているらしい事が、怖かった。
「怖かったよね。もう平気。安心して」
ネミッサの泣きそうな顔をマミは誤解したのか、もっと優しい表情と声でネミッサに接する。
(やめて、そんな優しい顔をしないで、こんな地獄の底で。マミちゃんは気づいていないの? あなたの地獄に)
「ち、違うの……、あんな戦いとか怖いことしてるのに、まっさきにアタシの心配してるマミちゃん見てると、なんか泣けてきて……」
「平気よ。友達のことを守るためだもの。それに、あなたはわかってくれたじゃない。本当の意味で、お友達になってくれたんだと思うの。ありがとう、ネミッサ」
「それだけじゃだめだよ」
突然のネミッサの反応に驚くマミ。
「アタシも協力したい! アタシにも何かできること、ない?」
ほむらの意思とはかかわりなく、ネミッサは吠える。マミが思わずたじろぐほどの剣幕だということに、本人は気付きもしない。
それを待っていたようにQBは言葉を紡ぐ。どうやらテレパシーでネミッサに声を伝えているようだ。
「それなら……僕と契約して、魔法少女になってよ」
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