過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/05(土) 15:43:12.97 ID:wOPwqajX0
二人の間でおろおろするさやかとまどか。ネミッサの双眸が吊り上ったからだ。まるで喧嘩腰である。優しげなマミに対してする態度ではない。それだけ彼女がマミに対して真剣に向き合っているということだが、少女の二人にわかるわけがない
「全員が危なくなった時、マミちゃんなら私達を守ると思うのは疑ってないよ。でも、そのとき自分を守らないよねマミちゃんは。そうしたら、二人を誰が守るの?」
全員の言葉が詰まる。全員が全員、その予感がしたからだ。そうしかねない、そうなりかねない、マミの正義感は恐らくそうするだろうと。マミ自身がそう思うくらいだ。それは平時では美徳であるが、戦いの時は正しいとはいえない。特に、魔法少女を魔女の結界内で失うことは即ち全滅に繋がる。だから時に、自分の身を守り三人のうち誰かを見捨てる必要がでてくる。ネミッサはそう言っているのだ。誰を助けて、誰を見捨てるか。相棒はそれをきちんとわきまえていたように思う。時に冷酷にさえ見える行動は、全滅を防ぎ、目的を達成するための必要な選択なのだから。
「ごめんね、嫌なこと言って。でも、マミちゃん絶対無理しちゃうから、怖いんだ。優しいから、とっさの時に自分を顧みなくなりそうで、怖いんだ。足手まといには、なりたくないよ」
マミは気づいた。先のネミッサの泣きそうな顔の真意に。ネミッサはマミを心底心配している。それは、まどかとさやかからは感じ取れないものだ。二人が憧れを持っているが、そのためにマミを心配する思いは薄い。それをマミは読み取った。
「そうだ! ほむらちゃんにも協力してもらおうよ!?」
「だが、彼女は得体が知れない。マミのグリーフ・シードや縄張りを狙ってる可能性がある」
警告を発するQBに、ネミッサは心のなかで毒づく。何を云うんだ。手管を知ってるせいか腹の中で苛立った。可能性を言ったらキリがない。その中で、高い可能性のものと、危険が一番大きいものに対応すべきだ。少なくとも彼はそういう戦い方をしていた。すべての可能性に注意を払っていては、リソースがいくらあっても足りない。
(こいつは目的を持ってミスリードを狙っている)
確信に変わった。絶対にここは引けない。負ける訳にはいかない。ほむらのためにも、マミのためにも、魔法少女候補生のためにも。
「私も転校生はちょっと信用出来ない。同じ魔法少女なら、マミさんのほうがよっぽど信用出来る」
この子も厄介だ。自分の正義感に真っ直ぐすぎる。ある種の思い込みが強い。恐らくマミの華麗な戦いとQBに感化されている。そして、QBのミスリードに気づかず乗っている。危ない。個人としては大変魅力的ではあるが、それが時に思いもよらぬ方向に引っ張られる。それがネミッサには怖い。
「可能性でいったら、アタシはどうするの? その”暁美ちゃん”の手下かもしれないよ?」
敢えて逆のことを言う。こんなことを言うと逆に疑われる可能性もあるが、まだここにいる誰も、ネミッサとほむらの接触は知らないはずだ。ただでさえほむらが接触して昨日の今日である。調べられる可能性は薄い。
「疑い出したらキリがないわ。私はネミッサは信じる。暁美さんは信じられない。それだけよ」
「……アタシが『悪魔』だ、って言っても?」
タイミングも悪かったのだろう。一瞬の間ののち、皆の笑いが出る。ユーモアと取られ、三人にクスクス笑われた。ネミッサは意を決して告白したのにもかかわらず、だ。今更ながら、人を説得すること、信じられない事実を信じてもらうことの難しさを痛感した。それをほむらは何度も行い何度もしくじって来たのだろう。冷めたような、厭世的になってもしかたのないことと言えた。
「悪魔でもなんでもいいわ。でも、私が信じるネミッサが『止めて』というなら、止めた方がいいかもね」
「マミさん!」
二人が全く逆の思惑で声を上げる。まどかはホッとした顔で、さやかは驚いた顔で。
ネミッサはかろうじて勝てた。ほっと、胸をなでおろした。
(信じてくれてありがとう、マミちゃん。今度は、もっと仲良くなれるよね)
QBはいつの間にか姿を消していた。
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