過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/05(土) 15:45:03.94 ID:wOPwqajX0
「ごめんね、折角のツアーおじゃんにして」
マミの部屋からの帰り道、ネミッサは二人に謝罪した。
「んー、最初は気に入らなかったけどさ、いいよべつに」
さやかはもう切り替えていたようだ。ネミッサの心配がマミに向かっていることを彼女なりに察していた。
「私も気にしてないよ」
まどかのほうは元々乗り気ではなかったらしい。ほむらの釘が気になる、という程度ではあるが、魔法少女になることに不安があるようだった。
イベントをダメにされたことをあまり気にしていないようで、申し訳なく思っていたネミッサは安堵した。また、ほむらの指示の前に二人に接触できたことは僥倖だった。折角なので仲良くしておこう。ほむらのためにもなるだろうという打算もないわけではないが、ネミッサ個人が二人を可愛いと思っていた。まどかはマスコットみたいで可愛い。逆にさやかはボーイッシュで可愛い。
(きっと魔法少女になるには可愛くないとだめなんだ、きっと)
自分の素質を棚に上げてそんなことを思う。
「正直さ−、自分の人生と引換に叶える願いってなかなか思いつかないよ。マミさんを
手伝えないのは、シャクだけど」
「アタシもそう、マミちゃんに誘われては居るんだけどね」
そんななか、言葉少なにいるまどかは、ずっと思案顔だ。最初は二人ともまどかが願い事について考えているものと思っていた。けれども、二人の話題が願い事になっても会話に参加しない。
「マドカちゃん? どったの?」
「…………」
「まどかぁ?」
さやかの声にやっと反応する。心ここにあらず、をそのまま地で行ったような反応に二人は困惑した。
「ご、ごめんね、考え事してて……」
「まどからしくないぞー、どーしたのさ」
「うん、ほむらちゃんが契約をさせないようにしてたのって、なんでかなって」
「キュゥべえが言ってたじゃん。グリーフ・シード独り占めしたいためだって」
「うん、でも…本当にそれだけなのかな? ほむらちゃんがそんなにわるものに見えないから」
ネミッサが虚実交えてほむらを擁護することはできる。だが嘘は暴かれた時脆い。そもそもほむらの最終目的が判然としないのだから、擁護しようがない。だが、彼女が悪意を持って彼女たちに接していないのはこれまでの行動で理解できている。
「キュゥべえは嘘をつかない。だけどホントのこと全てを言うわけじゃない。そういう詐欺師もいるよ」
ネミッサはあえてキツい言い方を使った。本当は悪魔と言いたかったが、伝わりづらいのでやめた。
「マミさんたちがが私たちを騙そうとしてるっていうの!?」
正義感のさやかは語気が荒くなる。その真っ直ぐな心根は美しく、時に危ない。
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