過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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39: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/05(土) 15:52:48.49 ID:wOPwqajX0
二人を無事に送った後、託された思いを持ってネミッサはほむら宅へ移動する。今日の報告をするためだ。自然に動く足のまま、ふらふら漫然と歩く。歩いた道筋すら忘れるほど気ままに。まどか、さやかと仲良くなれたことで非常に機嫌が良くなっている。だから、ほむらの気持ちを考えずその勢いで訪ねてしまった。
ちゃんとチャイムを鳴らすまでは良かった。だが、ほむらが出迎えた時、挨拶もそこそこに話しかけたのがまずかった。

「ホムラちゃん、今日はマドカちゃんとサヤカちゃんと接触できたよ。なかなかうまく行っ……」

表情がいつも異常に硬い。そして目に苛立ちが映る。その色に、ネミッサは言葉が続けられなかった。
ネミッサはハッキリ聞いていなかったが、ほむらは想い人との接触に失敗していた。そこに、あろうことかその想い人と接触がうまく行ったことを伝えたところで、ほむらが冷静に対応出来るわけがない。たとえクールに見えても、ほむらはまだ中学生。心のコントロールが必ずしもうまくいくとは限らない。

「ご、ごめん」

「何を謝っているの?」

「い、いや、わかんないけど、ごめん」

「今度は巴マミの危機が迫っている。それに対応して頂戴」

ネミッサとしてもほむらの気持ちがわからないでもない。しかし、そこはネミッサも大人とはいえない。申し訳ない気持ちもあったが、だんだん上から目線のほむらに苛立ちを感じてきた。

「で、アンタは来ないの?」

「いくわ、当たり前でしょう」

「安心したわ。マミちゃんのことどうでもいいかと思ってたから」

ネミッサの嫌味にほむらが勘付く。頬が軽く引きつるが努めてクールに対応する。

「どうでもいいなら、助けて欲しいなんて云うわけがない」

語気が少し荒くなる。ほむらの真意や思い、マミとの関係をネミッサはあまり知らない。故にネミッサはマミやさやかへの淡白な対応が気に入らない。ほむらの冷めた斜に構えた態度に図らずも爆発した形になった。

「私が信用ならないなら、同行しなくても構わない。美樹さやかに付いていって頂戴」

「マミちゃんじゃないの?」

「……魔女とは病院で戦うことになる。最初に発見するのは美樹さやかよ」

「詳しいのね」

「統計よ」

「ハズレないといいけどね」

「棘があるわね」

「気のせいよ」

この小さなスレ違いが、マミ救出作戦の詰めを甘くすることになるのだが、二人は気づかない。



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