過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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41: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/05(土) 15:54:58.29 ID:wOPwqajX0
見張るとは言え、やることはない。ネミッサにしてもさやかの護衛というだけで積極的に何かするわけではない。孵化したところで電撃をかますことも考えたが、マミに一般人を巻き込む云々などと言った以上到着を待ってからのほうがいい。そう判断した。

「ま、暫くは様子見ね。落ち着こうか」

「さすが悪魔ね、大胆というかなんというか」

「人間が魔女の卵見張るとかそっちも大したもんだよ」

冗談を言い合い、屈託なく笑う。ネミッサも不思議だが、さやかとは波長が合うようだ。興味という点ではまどかのほうが大きいのだが、一緒にいて楽しいと感じるのはさやかのほうだった。友達としては申し分のない人柄だ。これで、もう少し考えてくれれば最高なのだが……。それもまた魅力か。
ネミッサがさやかの凛とした横顔を見る。コロコロ変わる表情が非常に魅力的で、異性同性問わず友人が多いという。だが勝気な性格と短い髪型が災いしてか、男子生徒からは男として見られることが多いらしい。その豊かな胸はそれを拒むほどで、そのギャップもまた彼女の魅力なのだろう。

「さっきどしたのさ。なんかあったん?」

「うわ、そーゆこと聞くんだ。さやかちゃんのブレイクハートをえぐるつもりなのか〜」

「あ、え、マジ? ごめん」

ネミッサが本気で凹んだのをみて、さやかがやりすぎたと苦笑いをする。隣に座るネミッサの背中をポンポンと叩く。ジョークだとわかるまで暫くかかったが、ネミッサの初心な反応がさやかには嬉しかった。本気で心配していること、案じていることが伝わったからだ。そういう意味ではまどかに似ている。彼女もさやかの冗談を本気にしてしまうきらいがあり、行きすぎて泣かせてしまうこともあった。

「いやさ、サヤカちゃんが、その、幼馴染が気になってるっていうしさ」

「うえ! なんで知ってんの?」

「いやさ、アタシもいい加減悪魔だけど、ほとんど毎日お見舞いに来て幼馴染ってだけじゃないってわかるよ」

まどかから聞いたことは伏せることにした。さすがにデリカシーがなさすぎる。あとでまどかがさやかからセクハラじみた報復を受けるかもしれない。胸を揉まれるくらいの報復は覚悟してもらう。

「ううう、恋愛経験少なそうなのに……。っていうかあんたのほうはどうなのさ!」

「うぇ!? あ、アタシ? アタシは……」

「天海市で一緒に戦ったっていう、ア・イ・ボ・ウ、のこと」

「あ、アイツは、本当にただの相棒で、その、アンタみたいな話は……」

「しどろもどろになるのが怪しい〜。さぁ、吐け〜、はくのだ〜」

今度はネミッサがさやかにセクハラを受ける番だ。魔女の結界化が迫るなか胸を揉みしだくのはあまりにも緊張感がなさすぎるが、ネミッサも反撃と称して同じようなことをしている。同レベルだ。お互いが相手の背後を取ろうとドックファイトを繰り広げる。女性同士だからキャットファイトでもなかろうが、QBをそっちのけで二人が盛り上がる。
ひとしきりセクハラ合戦が終わると、ネミッサが切り出す。

「はー、はー……、解った。認める。多分アタシもアイツが気になってる」

「やーっと素直になったか。うむうむ」

「あー、もー茶化すなっ。それと、思いを伝えられなかったのも認める。後悔も認めるっっ」

さやかが次の言葉を察し静かになる。QBがグリーフ・シードの異変に気づきそちらに視線を向けることにも気づかずに。

「もんのすんごい後悔してる。そんな運命だからって、言わなかったのを後悔してる。生き残ったことも、後悔してる」

まどかもさやかも、ネミッサの生い立ちも事情を説明されている。死ぬ定めも、当然知っている。

「私に、後悔して欲しくない?」

「うん、どんな形でもね。当たって砕けるくらいの勢いでいきなよ。そのほうがアンタらしいわ」

何事か口を開こうとした瞬間、周囲の景色が変わる。
魔女の結界が広がった。そして、それは魔女の孵化が近いことを示していた。


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