過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/05(土) 16:06:50.63 ID:wOPwqajX0
「これは?」
「これが私の固有魔法。手品を隠しつづけるよりは、ね」
ほむらの魔法は時間停止だ。正しくは『止まった時間のなか動ける魔法』ということだ。仮に、時間が停止しただけであれば体を動かすだけで空気が壁となり自らの身体を粉々にするだろう。また任意で、自分が触れているものを動かすこともできる。この場合はマミの体だ。
「あまり長く止めていられないし、手を離せば貴女も時間が止まってしまう。でも、これならどんな大技も出来る」
マミは瞬時に理解すると、出せうる数のマスケットをすべて作り出す。それをリボンでつなぎ合わせ魔力を極限まで注ぎ込む。その間、幾つかのリボンを魔女にまとわせ拘束する。その間、ほむらが『手品』のタネを明かした意味を知った。これは凄まじい魔法ではあるが、タネがわかれば対処できないこともない。すぐ思いつくのは、先手必勝、あるいは罠の設置。相手をつかめば、止まった時間の中でも動けるというのであればいくらでも対処できる。そんな危険なものをマミに明かした意味は、大きい。
「彼女は何者? 魔法少女ではないのよね」
隠しても仕方がない、とほむらは口を開く。より疑われるかもしれないが、嘘よりは何倍もいい。
「悪魔だと言っていることだけしか。……私も詳しくはわからないけれど、戦う力と意思を持っている。私と協定を結んでいるの」
「なんのために?」
「わからない。ただ、魔法少女を知って、私を助けるため、と言っていた」
「あなたのことよ」
「私は、貴女を助けたかった。けれど、警戒されてしまったから、ネミッサにお願いしていたの」
「そう……、もう準備はいいわ。本体のほう、頼める?」
「ええ、動かすわね」
時間が再び動き出したときには、魔女は拘束されて身動きが取れなくなっていた。突然のことに対応できず混乱する魔女の前に巨大な砲身が鎮座する。青白い怒りに燃えるマミが、その愛らしい風貌からは想像もできない憤怒の視線を魔女に向ける。
「ティロ・フィナーレ」
ぼそりと抑揚のない呟きと共に轟音と魔力弾が迸り魔女を簡単に貫く。マミから離れたほむらは、崩れ落ちる魔女の中から小さな本体を見定めると、時間停止を再度行った。マガジンに残った弾丸をありったけ本体に撃ちこむと、時間を動かす。
魔女は一度に十発近い爆発する弾丸を受け、滅び去った。
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