過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:31:40.49 ID:WjAemYY10
三章
【みきさやか さくらきょうこ】
その夜、ネミッサはおかゆを平らげるとマミのベッドを占拠したまま眠りについた。マミはそのそばに来客用の布団を敷いて休む。今夜は寝ずに看病するつもりのようだ。
いくらネミッサに看病が必要ではあっても、死の恐怖によって疲労したマミには辛い。だが逆に、看病に集中することでマミが余計なことを考えなくて済むのであれば、そのほうが都合が良いのかもしれない。
誰かのために力を使うことに、マミは些かの躊躇いもない。ましてや相手は大事な友達である。俄然ヤル気だ。ネミッサの発熱に対する手当も、彼女にとっては死の恐怖と戦うために有効な手段になっている。
発熱にあえぐネミッサの額に濡らしたタオルを載せる。汗を拭う。無事な手を握りしめる。体温調節に布団をかけたりはいだりする。一度の仮眠を除き、ほとんど不眠のままマミはネミッサを看ていた。
途中、熱に浮かされたネミッサが漏らしたうわ言は、マミには聞き取れなかった。わかったことは、何か過去にしてはならないことをしてしまい、それを悔いていることだけだった。
(貴女もつらいことがあったのね。負けないで、私がついているから!)
マミもネミッサも峠は超えた。翌日、疲れは見えるものの無事に通学するマミの姿に、まどかもさやかも安堵した。ほむらは念のためとマミのソウルジェムを確認したが、思った以上に綺麗だったようでホッとしたような顔だった。
その日の放課後ネミッサの見舞いに訪れたのはさやかとまどかだけ。マミの下校に合わせたとのこと。いつかネミッサがマミに教わった店のシュークリームをお土産に持ってきた二人に、ネミッサは感激して迎え入れた。ほむらが来ないことがネミッサの小さな不満だったが、へそ曲がりな彼女の性格を思って深くは追求しなかった。
回復魔法を使用のおかげで体力の低下を除き後遺症もない。見た目右手を吊るす必要もなさそうだが、心配するマミに逆らえずしぶしぶ聞き入れた。左手で無作法に食べるネミッサの元気さが三人を安堵させている。
ネミッサの心配はマミの方だ。峠は超えたが今まで通り戦いに参加できるかは不明である。ネミッサとしてはしばらく休息してもらいたいが、マミが聞き入れてくれるかどうか。彼女は歴戦の戦士だ。決して自分のことを見誤るようなことはしない。戦いに赴けるかどうかは本人がよく分かるはずだ。ネミッサはその戦士の素養を信じることにした。
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