過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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70: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:48:17.27 ID:WjAemYY10
「……いい加減にして……」

ボソリという声に、ネミッサの背筋が凍り付く。頼もしくもあり、恐ろしくもあるマミが戻ってきた形だ。ネミッサを押しのけ杏子の前に立つ。よく、守る姿を母猫に例えることがあるが、マミのそれは子連れの母熊に似た威圧感を見せていた。魔法少女に変身してもない、両手をだらんと下げているのにもかかわらず、吹き出す威圧感は杏子を圧す。だが、杏子もひるまない。

「へっ、簡単に行くとは思ってないけどよ、あんたの弟子だった頃よりあたしも強くなってんだ」

宣戦布告の形をして、杏子は立ち去った。



「ネミッサ!」

杏子が立ち去り二人が体の緊張を解いた瞬間、マミの怒号が飛んだ。怒りの表情のまま目には一杯の涙を貯めている。先ほど立ちふさがったネミッサの行動に怒っていた。自分をかばって大怪我をしたあのときの状況が思い出されたのだろう。

「また貴女は無茶をして! あの子は魔法少女なのよ! 喧嘩になっていたら貴女どうなっていたか!」

まくし立てるほど気が高ぶっていたため、ネミッサがたじろぐほどだった。もはや、マミは戦いへの恐怖を乗り越えた。だが、ネミッサが傷つき失う恐怖はまだ残っている。またマミは自分にも怒っていた。杏子も共に戦ってくれるという甘い考えをしていたため、あたらネミッサを危険な目に合わせたことを。

「うん、ごめんねマミちゃん。でも、ホムラちゃんだけじゃない。アタシはアンタも守りたいんだ」

マミのまくし立てる説教が止まる。

「ううん、マドカちゃんも、サヤカちゃんも。キョーコちゃんだってそう。だからアタシが割って入れば戦うことがないって思ったの。ごめんね」

振り上げた拳を納めるのに数瞬かかった。だが、ネミッサの気持ちを聞いては納めない訳にはいかない。

「馬鹿な事言わないの。私にも貴女を守らせて。そうじゃないと、私、戦えなくなっちゃう。正義の味方なのに」

「うん、ごめんね。でも、お互いにお互いを守ったらきっと最強じゃない? それじゃダメ?」

ネミッサが伺うようにマミの顔を見る。先ほどの怒りもどこへやら。上目遣いのネミッサにすっかり毒気を抜かれたマミは微笑んでいた。

「ふふ……欲張りねえ。相棒さんともそんな関係だったのかな」

「そうだよ、だからアタシは戦いに勝てたんだ。あいつと一緒にね」

「妬けちゃうな……」

「……こないだからアンタ変よ?」

マミは顔を赤くして否定する。だが、確かにこの間からほむらやら相棒さんやら、ネミッサの友人関係に嫉妬しているような気がする。

(困ったなぁ、私、こんな嫉妬深かったかなぁ)


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