過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:54:45.99 ID:WjAemYY10
マミはショックと闘いつつも、さやかの指導を行っていた。
ネミッサは天海市とマミの部屋、あるいはほむらの部屋を往復し、来るべき災禍の準備を進めていた。魔法少女でない自分が来ることを快く思っていない人物がいたため、パトロールに行くよりはと積極的に準備を行なっていた。
ようやく立ち直ったマミとともに、まどかとほむらに出会う。まとまった資料を元にほむらと相談を行うためだ。丁度パトロールの時間に合わせたのだが、意外な人物がいた。杏子である。なんでもこの間のいざこざから、グリーフ・シードをさやかから譲り受けることで決着したのだが、新人のさやかは手持ちがない。そのため、訓練と称し杏子の目の前で魔女を倒し、そのグリーフ・シードを渡した。
だが、そのためにさやかは杏子ですら背筋の凍る戦法をとった。
「あいつ、痛覚遮断して戦ってたぞ」
痛みを遮断し、さやか自身が持つ回復能力を常時使用することで自らのみを顧みない戦い方をしたらしい。全身血まみれになりながら狂気にも似た笑い顔は忘れられねえ、と杏子は身震いしながら言う。
「なんて戦い方してんのよ」
「止めさせるべきね、魔力の消費もそうだし、何より心が心配よ」
ネミッサもマミと同意見だ。そんな状態で行方不明となってはいつ彼女が壊れるかわかったものではない。せめて目の届くところに置かないといけない。だが、ネミッサには懸念があった。
「ねえ、マドカちゃん…『なにかあったよね』」
そんな捨て身な戦い方をするきっかけがあったはず。詰問する言い回しに明らかに怯えるまどか。ネミッサは怯えには気づいたが、悠長なことは言っていられなかった。それに、ネミッサに怯えるだけならここまでとは思えない。ひょっとしたら、先の狂気の戦法を直に見てしまったのではなかろうか。
「学校で、なんかあったんじゃない?」
まどかが恐る恐る話したことは、ネミッサの逆鱗に触れるに充分の内容だった。
さやかの願いにより、動かなくなった左手が元通りになった上条恭介はその後退院した。だがそのとき、一番つらい時期を支えたさやかに退院日を知らせなかったようだった。まどかは庇うように『諦めていたものが治り舞い上がっていたのでは』とフォローしたが、ネミッサの表情が変わったことに怯えていた。ついで、志筑仁美の宣戦布告。
「いっ、一日だけ待つから、上条くんに告白してって。そうしたら仁美ちゃんが告白するからって」
「はぁ!?」
ネミッサの大声にまどかが怯える。怒りの色が含まれているために、余計に怖がってしまう。ほむらはじろっと睨むが激昂してるネミッサには届かない。
「仁美ちゃんもね、ずーっと上条くんのことが好きだったの。だけどさやかちゃんの気持ちを知ってて我慢していたみたいなの」
だが、その苦しみから、心に変調をきたし魔女につけこまれたらしい。それをさやかが魔女を屠ることで救った。皮肉が効いていた。魔女から救われ学校に復帰した仁美は退院した上条を見て、我慢の限界を迎えたのかもしれない。
だが、さやかは告白が出来なかった。魔法少女、即ちゾンビになったこと、自分がいつ戦いで命を落とすかわからないことがそれを躊躇わせた。そして、あのとき志筑仁美を助けなければよかったと正義の味方としてあるまじきことを一瞬でも思ってしまったこと。それらがごちゃごちゃになり、失踪してしまったようだった。
「それだけじゃないでしょ」
「ああ、あいつ、まどかになんか当たってたな」
「それ、ホント?」
詰め寄るネミッサに怖気づくまどか。申し訳ないとは思うが、ネミッサもさやかの情報が知りたい。ここはまどかに色々詰問せざるを得ない。怯えるネミッサを制するようにほむらが肩を抑えるが、容赦なく振り払う。
「う、うん……私が、魔法少女じゃないのに、勝手なこと言って、責めちゃったの。さやかちゃんのためにならないって」
それに苛立ったさやかはまどかに辛く当たり、自暴自棄になって走りさってしまった。恐らくそれが最後の引き金になってしまったようだ。恐らく、さやかは親友のまどかに当たった自分を恥じたのではないだろうか。それきりさやかは家出をしてしまった。
「探す」
「ったりめえだ。あの半人前、メンドーかけやがって」
ネミッサは知らないが、杏子はことあるごとにさやかに声をかけていたらしい。のちのちの話では『どうしても気になって仕方ない』とのことだ。だが、マミを信望するさやかは、杏子の生き様が気に入らない。
杏子は使い魔を放置する。そして人間を『食わせ』大きく『魔女』になったところを狩るという。グリーフ・シードを得るためだ。その行動は、使い魔も倒すマミやさやかの信条と食い違っていた。マミと袂を分かつようになったのもそれが一因だった。
「私も探すわ。学校のある間は、二人にお願いするね」
「任せて」
ネミッサは思いたち、ふと呟く。
「行き先に心当たりのありそうなやつがいるでしょ。会わせて」
言葉の真意に気づきほむらが息を呑む。まどかは怯えたまま。ネミッサの云う二人に気づき頷く。
ほむらは判断がつきかねた。ネミッサがいう二人が上条と仁美であることは想像に難くない。だがそれだけだろうか。先程からの苛立ちや怒りがほむらの心に不安を残す。だが、二人から話を聞くだけと言い張るネミッサに会うなとはいいづらい。代わりにまどかや自分が聞き出してもいいと提案したが、ネミッサは『会わせろ』の一点張りだ。せめて何かをしでかさないよう、ほむらはその場に居合わせることを決めた。
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