過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 22:04:03.27 ID:WjAemYY10
さやかを魔法少女として支えていたものが徐々に崩れようとしていた。
恭介への告白が出来なかったとき愛が崩れ、仁美を見殺しにしようと考えたとき正義感が崩れ、心配するまどかに辛く当たったとき友情が崩れた。その彼女に残されたものは街を人を守るという義務感だけだった。本人が崩れたと思い込んでいるだけではあったが、彼女の心を蝕むには充分な痛みだった。
そして、目の前でガラの悪いホストが貢ぐ女性をなじるような発言を聞いたとき、そしてそのホストを魔力を使い攻撃したときその義務感も崩れた。
終電間近の駅のホーム、誰もいないベンチに力なく座るさやか。それを発見したのは杏子だった。魔力を使った痕跡を感じ、駅構内に探しに入ったのだった。感情に任せて失踪したにしては穏やかな様子に安堵した杏子は、ホッとした表情で近づいた。
「もう、どうでもよくなっちゃたからね」
安堵したはずの杏子の背筋が寒くなるほどの表情。幸福と不幸は等量だという考え。恭介の幸せを願った分、街を守ることを願った分、それと同じ不幸が振りまかれるという。絶句し、返す言葉も見つからない杏子は慄いた表情で立ちすくむだけだ。
「魔法少女ってそういうシステムだったんだ」
恭介を手放し、仁美を手放し、まどかを手放し、正義感を手放したさやかには何も残っていなかった。本当に守りたいものをすべて無くした彼女の心は、絶望に塗り固められていた。他のだれでもない、自分自身に絶望していた。そして、自分の堕ちる先がどうなっているか、すでに察しているようだった。
「あたしって、ほんとバカ」
涙がこぼれ落ちた。
ソウルジェムが砕け散る。
杏子の絶叫がホームに木霊した。
(そういえば、ネミッサ嘘つきにしちゃったなぁ……でもいいや、どうでも)
「この国では成長途中の女のことを少女と呼ぶんだろ?……だったら、やがて魔女にな
る君たちのことは魔法少女と呼ぶべきだよね」
淡々といつもの調子でQBは呟く。善意も、悪意も、抑揚すら無いつぶやきを聞くものは誰もいない。
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