過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：五巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：五巻目【都市伝説】

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113:1[saga]
2013/01/08(火) 21:54:18.52 ID:faDogTT/o
ゆみ「君は、やりたい事をやるべき事より優先する事をどう思う？」

自己紹介の後、話を切り出したのは彼女の方だった。

京太郎「はい？　いや、世間一般的にはよくないことなんでしょうけど」

それが今回の話と何か関係があるのか、自分の聞きたい事にちゃんと答えてくれるのか、困惑しつつもそんな言葉を押し込む京太郎。
まずは聞こう。人の顔が口一つ耳二つで構成されているのは、話す事の二倍人の話を聞かなければならないからだ。

ゆみ「そう難しい事を言ってるわけじゃない。『夏休みの課題をいつやるか』程度の話さ」

京太郎「ああ、夏休みの最初に片付けるか、31日に泣くかって話ですね」

そこはキッチリ性格が出るものだ。
個人個人の性格やスタイルが露になると言っても過言ではない。

後回しが悪いというわけでもなく、先に片付けるのが正しいというわけでもなく。

けれどもするべき事を先に片付けるやり方が世間一般的には賞賛されるというのも、また事実ではある。

ゆみ「私はさっさと片付けなければ気持ち悪くて仕方が無くてね。どうにも堅物過ぎるらしい」

京太郎「(俺は前半でさっさと片付けるけど、後半で誰かしら手伝ってるから結局楽出来た事ねーな……)」

ゆみ「遊ぶ事は楽しい。部活に勤しむのも素晴らしい。友人と交流を深めるのも良いだろう。それを否定はしない」

京太郎「だからこその夏休みでしょう？　じゃなきゃ日本全国で学生達が心待ちにしたりしませんよ」

ゆみ「違いないな」

何かがツボに入ったのか、クスリと笑う彼女。

あくまでこれは例え話だ。楽しい事がありふれた期間。
その気になれば遊び尽くす事も出来るし、その時間を共有してくれる友人達もいる。
やりたい事が多過ぎて目移りしそうになってしまう。

だけど確固として、『やるべき事』も同時に存在するのだ。
それらは後回しに出来たとしても、後で必ず回り回って自分に帰ってるのである。
自身の怠慢のツケは、自身で払わなければならない。

それを良しとするか、しないのか、何を選んで何を捨てるのか。

まるで、青春の縮図のように。

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