過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：五巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：五巻目【都市伝説】

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116:1[saga]
2013/01/08(火) 22:18:11.24 ID:faDogTT/o
ゆみ「私も三年生だ。受験もあるし受験勉強もある。それは学生の本分だろう」

ゆみ「生徒会の仕事もそうだ。生徒の信任投票が無ければ、選ばれない前提だからな」

ゆみ「どちらも、私にとってのやるべき事だ」

京太郎「……ですね。たぶん俺が貴女の立場だったとしても、そうなんだと思います」

勉学を疎かにする学生。論外だ。
全校生徒に対し責任を持つ生徒会役員。怠慢のツケが、真っ先に他人に行く場所だ。

平時はどちらもそれほどでもない。
しかし、夏が近付くに連れてどちらもすべき事が増加して行く。
それは勿論、運動系の部活動とて同じ事。

ゆみ「そして、部活動は私が『やりたかった事』だ。『やるべき事』と天秤にはかけられない」

だから彼女はそれを捨てた。
それが例え、『捨てたくない』物でも。

他の二つは『捨てたくない』ではなく『捨てられない』物だったから。

ゆみ「私は、やりたいこともやるべきことも全部やろうとして欲張れば」

ゆみ「全て中途半端に終わってしまう事を知っている」

何かをちゃんと完遂するには、色んな物が必要になる。

時間、才能、努力、発想、学習、成功、研鑽。
そしてそれらは有限で、注げる量にも、対象にも限界がある。

あちらを立てればこちらが立たず。
「全てちゃんとやりきる事は不可能だ」。それが、彼女の出した結論だった。

京太郎「……バスケ、好きだったんじゃないんですか」

京太郎「好きだったから、やりたい事だったんじゃないんですか？」

ゆみ「昔の話だ」

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