過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：五巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：五巻目【都市伝説】

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42:1[saga]
2013/01/05(土) 00:24:28.82 ID:iKj3IT86o
京太郎「で、どうかしたんですか？」

蒲原「ワハハ、見て貰った方が速いんだけどなー」

京太郎「見て貰った方が……って、こっち体育館ですよね？　部で何か？」

蒲原「むしろ今までどうにかならなかったのが奇跡だったんだけどな」

京太郎「加治木さん、ですか」

蒲原「ワハハ」

二人が歩く方向は、授業が行われる棟から少し離れた体育館。

昼休みの時間、特に大会が間近に迫ったこの時期は各部活が切磋琢磨していて相当に暑苦しくなっているだろう。
当然彼女……『蒲原智美』が所属しているバスケ部も、活動中のはずだ。

そしてバスケ部には、京太郎が知らない仲でもない友人が一人居る。

京太郎「やっぱり、あの人の存在は部には大きかったと」

蒲原「ゆみちんは部の中心だったからなー。それに、それはモモにとってもそうだったろうし」

京太郎「そりゃそうですよ。アイツあの人に憧れてここに進学したんですよ？」

この学校のバスケ部は、そこまで有名ではない。
設立してから日も浅く、公式で何かしら成績を残しているというわけでもないからだ。

だが、一度だけ。
一度だけ、この地域の強豪の北高のレギュラーに練習試合で勝った事があるらしい。

蒲原が部長を継ぎ、その時からエースだった加治木が部を纏め、今年は県大会……あるいは全国も狙えるんじゃないかと言われていたりもしたのだ。

だが、それは叶わなかった。

京太郎「あの人が、加治木さんが部を辞めて平気なわけ無いでしょう」

エース。チームの支柱。ゲームの中心人物。

いまだ、この部のその抜けた穴は埋められていない。

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