過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：五巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：五巻目【都市伝説】

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788:ちょっと眠気のせいで筆が遅くなって申し訳ないです[saga]
2013/01/16(水) 22:30:54.98 ID:MtNnH02Lo
三年生は受験などで忙しくなり始める時期だが、学校の都合では仕方ない。

むしろ、勉学の環境としては地方より向上していると思われる。

寮生活やら理事側からの推薦校への転校やらで普通の転校扱いよりかは優遇されているのだが、そのあたりの説明は割愛する。

面倒な上に複雑で、まさに誰得であるのだ。

「何何？　何の話？」

「コッチコッチ」

「ダル……」

空いた席にて歓談していた二人の元へ、更に友人達がやって来る。
新たに訪れた三人と合わせて、五人で完成する友人関係。

互いが互いを大切に思う、そんな素敵な友人関係の輪だ。
だからこそ、生半可な事では切れない絆が築かれる。

塞「やれやれ、結局皆こっちに来ちゃったね」

豊音「……かな」

塞「うん？　何か言った？」

豊音「う、ううん！　何でもないよー？」

ワイワイと、カードやお菓子を広げる友情の輪。
見ているだけでも幸せになりそうなその輪の中に、今は自分も混ざっていられる。

姉帯豊音は、それが例え様もなく嬉しかった。

豊音「（幸せ、かな。友達も出来て、その友達とも離れ離れにならなくて）」

豊音「（何より『こんな日がいつまでも続いてくれれば』って思ってる私が居る）」

豊音「んー」

続いて欲しい今日があるということは、それだけで幸せの証明だ。
その事だけは、彼女は身に沁みて知っている。

背伸びをして、少しだけしか開かない車窓を開く。
その先の景色はどこまでも広がっていて、ただただ彼女の期待だけを膨らませて行くようで。

彼女は、明日がいい日である事が幸福であることを忘れない。

豊音「きっと、今日も明日もいい日になるよー」

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