過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：五巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：五巻目【都市伝説】

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911:1[saga]
2013/01/18(金) 23:27:32.14 ID:jadE15u8o
マンションの中をくまなく、かつ点々と見渡していく。

そこから見出された手掛かりは、タンス・テレビ・ソファー……様々な物が、横転していた事。
そして、それらの倒れ方に一定の法則性のようなものがある事だった。

京太郎「（鉢植えとか自転車とかが不自然にいくつも倒れてるな。これは……）」

姫子『そこらじゅうで色んな物がひっくり返っとるね。これ、毒物ゆーより……』

京太郎「何かしらの要因で、上方向に引っ張られたような……」

転倒防止の家具用下敷きが敷いてあった家具まで倒れている。
なのに、天井に突っ張り棒で転倒防止補強をしてあった家具は倒れていない。

つまり、上方に何かしらの形で引っ張られたのだ。

この辺りの物が、片っ端から無差別に。

それも奇妙な事に、引っ張られる力の大きさにムラがある。それはつまり……

そんな風に、彼らが思考に没頭していた時だった。

「―――っ！」

その声が誰のものか、どんな内容だったかは分からない。だが、「危ない」といったニュアンスではあったと思われる。

だから、本当に誰の声だったかは分からない。
だがその声に、京太郎は感謝しなくてはならないだろう。

京太郎「……ッ！！」

ギリギリで、頭部を掠めた『符』を避ける。
外れた符はそのまま飛翔し、背後の壁にぶつかり炸裂した。

当たれば、確実に意識が刈り取られていた一撃。

頭が吹っ飛ぶ威力ではなく意識だけが吹っ飛ぶ威力。
メタ視点で見て初めて分かるレベルの、そういう手加減。
京太郎から見れば、極めて脅威な事に変わりはなかったりするのだが。

小蒔「……凄いですね。あのタイミングで避けられるのは」

京太郎「いや、誰だよお姉さん」

小蒔「この神代小蒔、悪党に名乗る名前は持ちあわせていません！！」

京太郎「……えっ」

小蒔「……あっ、あわわっ」

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