過去ログ - イチローが学園都市にやってくるようです -再試合-
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72: ◆I045Kc4ns6
2013/01/12(土) 02:06:34.95 ID:rNkSflO00

この街に来て寮監という役職に就き、それなりの時間が経過した。
子供達はお嬢様とはいえども、思春期のやんちゃ盛りの真っ只中である。
能力を無断で使用したり、何かしら物を壊したりするのは珍しいことではない。
その度に規則違反ゆえの指導の名の下に、彼女らにお仕置きするわけだ。
無能力者である自分が、いずれも強能力者以上である彼女らに制裁を加えるにあたり、なんら畏怖の念を感じたりすることはなかった。
本気で抵抗されることも多少あったが、どれもこれも実力行使で黙らせものだ。
流石に御坂などに激しく抵抗されたらどうなるかわからないが。

しかし、今の私はどうだろう?長らく感じていなかったものを味わっていないか?
スクリーンに長々と繰り返し流れるシステムスキャンの映像。
それを興味津々な様子で、とてもうれしそうな顔で見つめるこの男。
最初に彼を目にした時は何も感じなかった。
世界で活躍する人物とは言うものの、所詮外の話。
経験談や人生論は今回の講演で活きるだろうが、野球なぞはこの街では意味を成さない。
少し雑談を交えたところで彼の全体像、心の底まで捉える事が出来た、つもりでいた。
だがそれは単に思い上がりだったのだ。
映像を見せた時から雰囲気がガラリと変わった。
まるで餌を発見した肉食獣のような獰猛さ。狙った獲物は逃がさないといった鋭い視線。
唯でさえ凄まじいその覇気は、御坂の映像を眼にした時にピークに達する。
いや、あれですらピークなのかわからない。
彼を何一つ把握していなかった。見誤っていた。
全体像なんて測り知れない。底など見えない真っ暗闇。
解説している最中でさえ、身震いを隠すので精一杯である。
寮監は久しぶりに、誰かに恐怖したのだった。




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