354: ◆Upzc6141AI[ saga]
2013/03/02(土) 00:45:56.04 ID:oUzn7LqhO
時は過ぎて統計によるワルプルギスの夜到達2日前、風見野
ボロボロになった教会、杏子だけがこの建物に訪れていた。
杏子はおそらく元は教壇であったであろう、台に祈る体勢で膝をついている。
(父さん、母さん、モモ………
みんなを不幸にしちまった、この碌でもない力だけど……ごめん、あたしは守りたいものの為にもう一度使うよ)
祈りながら、届くはずもない謝罪。
守りたいものは、無論仲間と、そして誰よりもゆまの事だ。
今も契約させてしまった事に罪を感じていた。
それは今でも変わらないが、最初のような一方的な罪滅ぼしではない。
純粋に守りたい。
それが今の杏子の戦う理由だ。
「なんか…重なるんだよなぁ…らしくないけど…」
思っていた事が口から漏れてしまった。
歳が近いからなのだろうか。
何処かでゆまが妹と重なってしまう。
自分の手で失ってしまった妹と。
(もう二度と失うものかって…!そう決めたんだ)
自分を偽っていないか、もう一度だけ確認した後に立ち上がる。
跪いていたからか、膝が汚れているのを手で叩きながら。
「ところで、さ。あんた、覗き見はいい趣味とは言えないんじゃない?」
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