385: ◆Upzc6141AI[saga]
2013/03/21(木) 00:53:17.54 ID:/LOoZryqO
乾いた銃声だけがさやかの耳に響いた。
刹那、その使い魔の一体が消し飛び、弾丸の痕と言うにはあまりに巨大な弾痕が残った。
クルツの狙撃砲だ。
そこに目を奪われていると、次は音もなく使い魔が霧散する。
これはきっと、マミのものだろう。
「うらうらうらうらっ!!ヒャッホォーーーウ!!!」
次々と銃声が無人の街に響き渡る。
そして、無線にはクルツ。
驚くべき事に、さやかが聞いた数の銃声の倍は使い魔が倒されていた。
半分は恐らくマミだろう。
武器を出す事も戦闘する事もなく、さやかは無事にキリカの元へと辿り着いた。
「すまない、世話を掛けたね」
「問題ないですよっ!」
治癒の魔法を掛ける。
「っ!美樹、後ろっ!」
傷付いたキリカはさやかの後ろの影に気が付く。
新たに出現した使い魔だ。
「くそっ、すまない、その位置は撃てねえ!」
この位置の使い魔を狙撃しようものならば、貫通してさやかとキリカまで撃ち抜いてしまう。
「大丈夫ですよ、クルツさん。
あたしだって戦えるんですから」
振り向きながらさやかは自信ありげに言い切った。
振り向く。
そこには、一体の使い魔がさやかに飛び掛らんとしている。
さやかは剣を作り出そうとはしない。
否、この距離なら間に合わない。
それでもさやかは不敵に笑う。
「これはほんの、挨拶代わりだーってね!」
そして飛び掛りに当たると思われた瞬間、さやかの掌はそれよりも速く人型の使い魔の胴に叩き込まれた。
「あの技って」
「ああ、俺が教えたものだ」
ヘッドセット内蔵のカメラから、さやかの様子は全員に行き渡る。
放った技は、恐らくクルーゾー直伝の寸剄。
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