397: ◆Upzc6141AI[saga]
2013/03/21(木) 01:02:05.68 ID:/LOoZryqO
同時刻、避難所
「さやかちゃん達、大丈夫なのかな…」
避難所の階段踊り場で、まどかはぼんやりと窓の外を眺める。
大嵐に見舞われる街。
時折起こる地震が不安を助長させた。
「ねぇ、キュゥべえ。さやかちゃん達は、本当に勝てるの…?」
「それを今、僕の口から言ったところで、君はそれを信じるかい?」
呼ぶだけで音もなく、何処からか現れるインキュベーター。
「これだけ強力な魔女なんだ。君ならわかるんじゃないかな」
まどかはインキュベーターの言葉は信じたくなかった。
それは逆に言ってしまえば、真実を話しているように感じるから。
「勿論、まどかが契約すれば確実に全員助かるだろうけどね」
付け足した言葉は、まどかの希望的観測を打ち砕くのには十分過ぎた。
契約すれば全員助かる。
それは、契約しなければ助からないと意味しているのではないだろうか。
言い切ってはいないのに、どんどんとネガティブな方向へと思考が進む。
「マドカ、そう言うのはやめようよ」
思考が打ち切られる。
かなめの声。
「あ……かなめ…さん…」
見られていたと思うと急に罪悪感が押し寄せる。
「少しは自分の事を……いや、自分の事を考えてくれる人の事を考えなさいよ」
目を合わせる事はせずに、歩いてまどかの横まで進む。
そのまま階段の一番上の段に腰掛けた。
「例えば、さ。ホムラとか」
「ほむら…ちゃん……」
かなめの言葉を考える。
いつも何を考えてるのかはよくわからないけれど、いつだって自分を守ってくれた彼女。
「言うなって言われてたけど、やっぱり言うかな」
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