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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/22(火) 00:40:21.68 ID:0r6o6x830
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君が震えながら剣を握りしめているのがよくわかる。
信じられないという顔で目を見開いている。
「どうして、どうして君がここにいるんだ!?」
――ここは魔王のいる城だろ
悲痛な叫びが聞こえた。
それでもボクは笑う。余裕を持った笑みを見せる。
「それはね、ボクが『魔王』で君が『勇者』だからだよ」
「そんなのウソだ」
彼は信じたくないと首を振る。
「本当だよ」
(まあ、ウソでもあるけれどね)
僕が静かに告げると彼は、黙ってしまった。
彼は、今何を思っているのだろうか?
僕には、何もわからない。――いや、少しはわかる。
かつて一時の『勇者』で会った時。あいつらはボクの事なんて視界に入っていなかった。
もちろん彼に対するあいつ等の態度も同じだろう。
だからわかるよ。ボクを見なくなった世界で君こそがボクの親友と呼べる人間だったから。
うぬぼれじゃないと思っているよ。
だからこそ、嫌だね。嫌なやつだねボクは。でも仕方ない。
この世界はあってはいけないんだ。
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