過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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27:>>1[saga]
2013/01/11(金) 23:39:37.42 ID:bpYk7R6AO
〜19〜

……こうして冷たいシャワーを浴びてると思い出すわ。あいつと最後に別れた日の朝の凍えるような雨を。
黒子が歯形やら爪痕やら痣やらキスマークを付けられて、ボロ雑巾みたいにされてお風呂で泣いてたのも。
あいつの事ちっとも振り切れてない。。自分の事少しも吹っ切れてない。何て情けない顔してんのよ、私。
あいつに抱かれる前の私もこうして鏡に映った自分を見てた。水滴が目元に流れ落ちて泣いてるみたいで。
何て女々しいんだろう。女の子だけど、女の腐ったみたいな今の自分が情けなくてどうしょうもなくて……

御坂「……うっ」

込み上げて来る。お腹一杯になって、身体もあたたまって緩んだ箍が外れて涙が溢れそうになる。駄目……

食蜂「……御坂さん?」

――駄目、こんな時背中を抱き締められたら振り解けなくなる。

食蜂「泣いてるのぉ?」

一人でだったら思いっきり泣けるのに一人ぼっちじゃ立ち上がれる気がしない。私は何て弱いんだろう。
陳腐な不幸に打ちのめされて、チープな悲劇に酔って、挙げ句大嫌いな女の腕に背中を黙って預けてる。
大事な黒子や、大切な友達の前で見せられない涙が、その正反対の位置にいる女の前で流してるなんて。

食蜂「………………」

温まらない身体の芯、折れたままの心の芯。自分を支えられない、自身を保てない、自信を無くした私。
嗚呼、何で黒子がボロボロになっても結標淡希の側から離れられなかったのかちょっとだけわかったわ。

食蜂「……へえ、大嫌いな私になら触られても平気なんだぁ?」

氷中花みたいに凍てつかせた心には、伝わる体温は劇薬で、伝わる人肌は麻薬で、伝わる鼓動は毒薬だ。
情け無い顔を見られたくなくて伏せる。それを食蜂が両手で包み込んで来る。涙で暈けて目が見えない。
食蜂の顔が見えない、前が見えない、明日が見えない。ただ何となく、薄ぼんやりわかる。唇が見える。

食蜂「御坂さん……」

私の頬を撫でる掌、涙を拭う指、まるで私の他の誰かを、私の中に何かを探しているように感じられ――

食蜂「――“美琴”」

えっ――……




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