過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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4:>>1[saga]
2013/01/11(金) 23:08:34.54 ID:bpYk7R6AO
〜0〜

上条『……なんだって』

結標『彼女がそう言っていたのよ。クリスマスに学園都市を出て、二度と貴方達の前に姿を現さないって』

三冬月の夜より学園都市に降り積もる灰雪を、聖夜の朝より第七学区に降り注ぐ氷雨が洗い流して行く。
薙ぎ倒された自販機、引っくり返ったベンチ、引き千切られたブランコ、荒れ果てた公園で対峙する――
血を流す結標に抱き上げられ涙を流す白井と、それをただ見守る事しか出来なかった上条の三人である。
その結標の口から語られる、御坂と聖夜を過ごし朝帰りした上条の部屋から去ったインデックスの行方。
それを耳にした時、二桁を下回る気温より薄ら寒い戦慄が走り上条は体温すら下がったような気がした。

上条『……なんでだ!?俺が御坂と付き合うって言った時に、一番喜んでくれたのはインデックスじゃあ』

白井『わたくしも』

結標『白井さん……』

白井『――わたくしも、インデックスさんと同じでしたわ。お姉様の前では殊更祝福するよう努めて……』

上条『……白井』

白井『挙げ句の果てにはご覧の有り様ですの。わたくしにはわかりますの。彼女がどんな思いでいたかも』

茫然自失の体で立ち尽くす上条を結標の腕の中から白井が見やる。疲れきった相貌と弱りきった双眸で。
女の情念とは、男と違いコップの縁から溢れるのではなくコップの底から抜けるんですのと付け加えて。

結標『……行きなさい上条君』

上条『………………』

結標『女が行き先を告げて出て行った意味もわからないくらい鈍いなら、私から言う事は何もないけど』

そこで結標が上条に座標移動でマネーカードを投げた。言外に今から追い掛ければ間に合うかもよ、と。

上条『……俺は』

結標『私達はもう行くわ。貴方の彼女は私が引き受けてあげる』

そう言い残して結標は帝都タワーへ向けて踵を返し、立ち尽くす上条とすれ違う。ごめんなさいね、と。

上条『っ』

その言葉が果たして届いたかどうかはわからない。それより早く上条は霙の中を駆け出して行ったのだ。

白井『……間に合いますの?』

結標『さあね?それこそ――』

その背中を、結標に抱かれながら見送る白井は後に想起する……

結標『“神のみぞ知る”じゃない?』

もう二度と、上条と会う事はないかも知れないという予感を……

―――そして時は流れる事一ヶ月後―――



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