過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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54:>>1[saga]
2013/01/12(土) 00:08:39.89 ID:DfwHrfDAO
〜38〜

御坂『これが最後か。まだ帰りたくない終わって欲しくない!』

上条『そう言うなって。また今度連れて来てやるからさ。な?』

あれは、あいつと恋人同士になって初めてのクリスマスの出来事だった。第六学区にあるオズマランド。
もういい加減日も暮れて、門限も迫って、閉園時間も近づく中、最後に飛び乗ったのは大観覧車だった。
本当は観覧車じゃなくたって良かった。メリーゴーラウンドでも良かった。お化け屋敷だって良かった。
もっと一緒に居たい。ずっと一緒に居たい。だから私は黙ってた。インデックスがイギリスに帰るのを。

御坂『えーっ、あんた補習ばっかりで全然休みの日も会えないじゃないの。だいたい先週の約束だって』

上条『悪い悪い。そう思ったからこそ今日は全部俺持ちって言ったろ?とほほ、年越せるかな上条さん』

そう言いながらスッカラカンの財布をひっくり返すあいつ、いい気味だって笑う私。景色なんて殆ど……
殆ど目に入って来ない。頭に入ってない。私はずーっと何も知らずに笑うあいつの横顔ばっかり見てた。
恋心とは違う痛み、愛情とは異なる高鳴りが、明かせない胸の内に突き刺さって、締め付けられて行く。

御坂『しっかりしてよね!帰省して一緒に年越しするって言ったじゃん。せっかくご近所さんなんだし』

上条『へいへい。嗚呼、そうそう。これ、クリスマスプレゼント。今の内に渡しておこうかなって……』

御坂『えっ!?』

上条『おいおい、そんなにびっくりすんなって。悪いなムードもへったくれもなくて。安物だけど――』

御坂『………………』

上条『メリークリスマス、美琴!あの、これからもよろしくな』

馬鹿ね。嬉しくて言葉にならなかったのよ。それに何?このタイミングとか本当に女心がわかってない。
……わかってたらとっくに気づかれてる。インデックスと私の間にある消えない蟠りも埋まらない溝も。
だけど受け取った指輪は安物なんかじゃなかった。けれどそれを、左手から心臓に繋がる血管の走る――

御坂『ありがとう当麻。あのね、私からもプレゼントがあるの』

上条『?』

御坂『……耳、貸して。一度しか言えない。一回しか言わない』

薬指に嵌めるのが怖くて、これからする事が恐くて、私は右手薬指にそれを嵌めた。そして私は言った。

御坂『                         』

悪魔に魂を売った。

神に喧嘩を売った。

これが


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