過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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58:>>1[saga]
2013/01/12(土) 00:14:00.95 ID:DfwHrfDAO
〜40〜

ステイル「――“奴”の様子はどうだ?オルソラ=アクィナス」

オルソラ「食事にも、殆ど手をつけていらっしゃらないようで」

聖ジョージ大聖堂地下墓地。星一つ無い夜空を思わせる空間をステイルとオルソラ並んで歩みを進める。
何百と言う十字架の聳える丘に、何千と言う髑髏の山に足を取られぬように食事を載せたトレーを運ぶ。
罅割れた砂時計が引っ繰り返り、砕け散ったヴァイオリンが打ち捨てられ、腐り落ちた果実が転がって。

ステイル「無理矢理でも口に詰め込んで流し込んで腹に入れろ」

噛み千切り、吐き捨てた煙草がジュッと血の河に沈み、同時に憂いを帯びたオルソラの顔色がより沈む。
ステイルもやや言い過ぎたかと口を噤む代わりに新たな煙草に火を点け、代わってオルソラが口を紡ぐ。

オルソラ「もう一ヶ月なのでございますよ。そろそろ日の光に当たらないとそれこそ身体を壊して……」

ステイル「知った事か。僕に言わずに奴に言え。死に場所を見つけた男に同じ男として僕が言える事は」

オルソラ「………………」

ステイル「同じく“彼女”を愛した男として言える事は、“彼女の為に生きて死ね”。ただそれだけだ」

文字通り『地獄』に落ちた彼を思うオルソラと『地獄』に堕ちた彼女を想うステイルの間にある隔たり。
それを埋めようともステイルは思わない。それを越えようにもオルソラは力がない。ただ、立ち尽くす。

ステイル「――君の知り合いがとんでもない事をやらかしてくれたよ。まあもっとも“今”の君には……」

????「………………」

ステイル「“御坂美琴”と言う名前すらわからないだろうから、それについては脇に置いておくとしよう」

何万もの燭台に照らされ浮かび上がる『地獄の門』の前に跪き、祈りを捧げる『少年』の背中が見える。
その日を摘み、死を想い、空の空を司るヴァニタスそのものを具現化したような絶望の丘に、ただ一人。

????「――悪い、“御坂美琴”ってのは前の“上条さん”の友達でせうか?それとも恋人とか……」

痩けた頬まで髭を生やし、肩まで伸びた白髪を付け根から失われた右腕に代わって左手で払う、その姿は

オルソラ「はい」

インデックスが恋した『一人目の上条当麻』でも

御坂美琴が愛した『二人目の上条当麻』でもない

死して『救世主』となった『三人目の上条当麻』



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