過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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[saga]
2013/01/12(土) 00:18:22.39 ID:DfwHrfDAO
〜40〜
イギリスに着いた日、食蜂がはしゃいで写メってたチョコレート会社の飛行船を見上げながら私は頷いた。
食蜂『可哀想な上条さん。インデックスって言う子を連れ戻しに言って、そのまま幽閉されちゃったの☆』
食蜂が言うには、インデックスがぶち壊したらしい聖ジョージ大聖堂のそのまた地下にある墓地に――
『地獄の門』が開かれたらしく、あいつはそこに閉じ込められたと聞いた。正直、俄かに信じがたい。
食蜂『信じるか信じないかは貴女次第。彼を助けに行くか行かないかも貴女次第。どうするぅ?御坂さん』
自業自得とねと鼻で笑ってやりたくなって、鼻白んだ。決まってる。助けに行く。救い出してみせる。
食蜂が引き出した情報によれば『在らざるモノ』だとか何だとか言ってだけど、そんなの関係ないわ。
御坂『人員、見取り図、そう言った情報も引き出せたんでしょ』
食蜂『勿論☆あと何か結界力とか言うのが張ってるらしいけどぉ、それを破る手立てもなくはないしぃ』
そう言いながら食蜂がスマートフォンを出して、画面上に077から始まる携帯番号を表示して笑う。
こいつの下衆な力に頼るしかない自分の汚さ、弱さ、醜さに顔を背ける。あいつに合わせる顔がない。
御坂『了解。けれど今度こそ本当に死ぬかも知れないから、後の事は私に任せてあんたは先に学園都市に』
射し込む朝日が逆光になって食蜂の笑った唇しか見えない。それが何だか怖くて私は目を閉じる事にする。
食蜂『ヤダぁ☆』
代わりに朝日より暖かい感触が唇に伝わって来る。温かい舌が入って来る。熱いくらい顔が火照って来る。
食蜂『……さっきのお返し☆やっぱり女の子の唇は違うわねぇ』
私の顔に、髪に、唇に触れて来る。まただわ。またこいつは私の中に『何か』を、『誰か』を探している。
食蜂『……クスッ』
ゾッとするくらい暗い眼差し、ゾクッとするくらい冷たい笑顔、ゾクゾクするくらいいやらしい手付きで。
食蜂『貴女は死なないわぁ』
私の肌を通して見えない何かを愛撫しているような、私の体を通して見えない誰かを慰撫しているような。
食蜂『――私が殺すから☆』
私にはそれが、インデックスの氷みたいな目よりも怖く感じて、結標淡希の炎みたいな眼より恐く思えた。
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