過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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76:>>1[saga]
2013/01/12(土) 00:39:51.51 ID:DfwHrfDAO
〜29〜

御坂「?!」

五和「!?」

神裂が腹部を貫く先槍ごと五和を持ち上げ、長椅子目掛けて吹き飛ばすほどの余力を残していた事に――

五和「キャアッ!」

ドン!と砲弾が炸裂したかのような轟音と衝撃と土煙を立て、五和が砕け散った長椅子と共に地に沈む。
それを御坂は信じられない思いで見つめる。有り得ない。下手すれば即死、良くて戦闘不能の重傷を――
神裂は血塗られた先槍を引き抜いて投げ捨て、代わってエリスの下敷きになったシェリーを引き上げる。

神裂「……行かせる訳には、……通す訳には、……参りません」

シェリーとアンジェレネを脇に置き、出血を腹筋で止め、七天七刀を腰溜めに構えて神裂が立ちはだかる。
それを受けて御坂も水分子の翼を解除し、代わって砂鉄の剣を生み出す。御坂も既に電池切れ寸前である。
食蜂は気絶した五和に一瞥もくれずに二人を見やる。しかし疲労困憊の御坂と満身創痍の神裂との間には。

御坂「……どうしても私をあいつに会わせるつもりはないの?」

神裂「ありません」

御坂「何でよ!?」

それでも230万人中7人しかいないレベル5と70億人中20人しかいない聖人との実力差が横たわる。
それがわかっているからこそ御坂も迂闊には切り込めない。食蜂も最早打つ手が見当たらないほどである。
半壊した聖堂内に射し込む月明かりを受け、照らし出された神裂の七天七刀が底冷えするような光を放つ。

神裂「そう言う貴女こそ何故ここに来たのですか。彼を愛するが故ですか?それともあの子が憎くくて?」

御坂「……両方よ。だけどそれだけじゃない。そうなる前から」

神裂「………………」

御坂「――あいつは私の妹達を、9982人もの妹達の命を助けてくれた!私の魂ごと救ってくれた!」

全壊したステンドグラスを輝かせる星灯りを受け御坂が叫ぶ。砂鉄の剣を握る手に力がこもり、そして。

神裂「……私にも、彼には返しきれないほどの借りがあります」

御坂が一歩前に踏み出して、神裂が一足先に踏み込み、そして。

神裂「――そして私もかつては彼に惹かれた一人です。あの子のように、貴女のように。そして今も……」

パキッと食蜂がステンドグラスの欠片を踏み締めた音を合図に。

神裂「貴女と同じ気持ちです」

神裂の刀が幕を、御坂の剣が火蓋を、それぞれ切って落とした。




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